サッカー韓国代表は東アジアカップの初戦で中国に3-0と快勝し、「恐韓症」の継続を示しました。特に、先制点を挙げた李東景(イ・ドンギョン)の活躍は、洪明甫(ホン・ミョンボ)監督率いるチームの新たな戦力発掘と戦術実験に光を当てています。北中米ワールドカップ本大会まで1年を切った状況で、洪監督は国内組を中心にチームを構成し、様々な試みを行いました。
試合詳細と歴史的優位性
7日、京畿道竜仁(ヨンイン)ミルスタジアムで行われた東アジアサッカー連盟(EAFF)E-1チャンピオンシップ第1戦で、FIFAランキング23位の韓国は同94位の中国に3-0で完勝しました。この勝利により、韓国は中国戦での最近の対戦成績を6連勝とし、通算でも24勝2敗13分けと圧倒的な優位を維持。「恐韓症」と呼ばれる中国の対韓国戦での苦手意識は払拭されていません。この大会はEAFF所属の4カ国がフルリーグ形式で優勝を争うもので、韓国は順調なスタートを切りました。
洪明甫監督の戦略と戦術実験
今回の東アジアカップはFIFAのAマッチデー期間外のため、孫興慜(ソン・フンミン)ら欧州組の招集が困難でした。これを受け、洪明甫監督はKリーガー中心のチームを編成し、「新しい選手の発見」と「冒険的戦術の実験」という二つの目標を掲げました。普段は4バックを好む洪監督がこの試合で採用したのは、3-4-3フォーメーションの「変形スリーバック」です。両ウィングバックの李太錫(イ・テソク、浦項)と金紋奐(キム・ムンファン、大田)を高く押し上げウインガーのように機能させ、両ウインガーの文宣民(ムン・ソンミン、ソウル)と李東景を中央に寄せる攻撃的な布陣を展開しました。
李東景の鮮烈な先制ゴール
試合が動いたのは前半8分。右ウィングバックの金紋奐からのパスを受けた李東景が、ペナルティーエリア右側から得意の左足でミドルシュートを放ちました。ボールは美しい軌道を描き、GKの手が届かないゴール左上隅に突き刺さる見事なシュートでした。「東京リー」の愛称で知られる李東景のこのゴールは、2021年のスリランカ戦以来、4年ぶりとなるAマッチでの2得点目となりました。
東アジアカップ 中国戦、左足で先制ゴールを決める韓国代表 李東景
李東景、3点目の起点となり存在感
李東景の活躍は先制点だけにとどまりませんでした。2-0で迎えた後半11分には、左足で蹴った正確なコーナーキックが3点目の起点となります。李東景のCKを朴乗煜(パク・スンウク、浦項)がヘディングで狙い、GKが弾いたこぼれ球を金朱晟(キム・ジュソン、ソウル)が押し込みました。李東景は、孫興慜など欧州組の選手たちが名を連ねる攻撃的なポジションにおいて、競争に名乗りを上げる存在感を示しました。
チュ・ミンギュの追加点と代表復帰
李東景の先制点に続き、前半21分には2点目が生まれます。左ウィングバックの李太錫が左足で上げた正確なクロスに、ゴール前にいた朱敏圭(チュ・ミンギュ、大田)がヘディングで合わせ、ゴールネットを揺らしました。FW呉賢揆(オ・ヒョンギュ、ヘンク)らに押されしばらく代表から遠ざかっていた朱敏圭ですが、今大会の出場登録人数が23人から26人に増加したことで追加招集され、この機会を最大限に活かしました。
中国のプレースタイルとその他の実験
中国代表は前半33分に中国選手が李東景の足を意図的に踏むなど、相手を抑え込む「少林サッカー」と称されるラフプレーが依然として見られました。洪監督は後半、MFのカン・サンユン(全北)をウインガーとして起用するなど、選手の多様なポジション適性を試すマルチプレーヤー実験も行うなど、最後まで様々なオプションを模索しました。
韓国代表は東アジアカップ初戦を快勝で飾り、「恐韓症」を継続しました。洪明甫監督の戦術実験と李東景、チュ・ミンギュといった新戦力の活躍は、今後の代表チーム編成において重要な要素となるでしょう。この勝利は、北中米W杯に向けたチーム作りへの確かな一歩となりました。
出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/7a782cbfcdcef52e29f1538e3856167024737626