農林水産省は7日、6月23~29日の週に全国のスーパー約1000店で販売されたコメ5キロ当たりの平均価格(税込み)が3672円だったと発表した。これは前週より129円の下落で、集計開始の2022年3月以降、初めて6週連続での値下がりを記録した。割安な政府備蓄米の市場への流通量が増加したことが主な要因とみられている。平均価格は3週連続で3000円台を維持しており、今後の値下がり傾向がどこまで続くかが注目されている。
コメ価格の下落を発表する農林水産省
種類別価格と市場への影響
種類別の平均価格(5キロ)では、ブランド米などの「銘柄米」が前週比51円安の4290円だった。「ブレンド米」や複数銘柄を混ぜたコメは133円安の3213円となり、大幅な下落を示した。5月末から店頭に並び始めた随意契約による政府備蓄米が大量に市場に出回った結果、銘柄米の価格にも影響を与えている。販売数量全体に占めるブレンド米などの比率は、前週の54%から57%に増加した。
随意契約備蓄米の価格動向
農水省が別途集計した、随意契約による備蓄米販売店舗での5キロ当たりのコメ平均価格は、前週比151円安い2926円。このうち、随意契約による備蓄米のみの価格は、前週比23円安い2054円となっている。
都道府県別の備蓄米販売状況
都道府県別の随意契約による備蓄米の販売数量(6月29日までの累計)は、大阪府が2862トンで最も多く、最少は秋田県の16トンだった。
ブレンド米の店頭価格幅
農水省はまた、全国のサンプル店舗におけるブレンド米(随意契約備蓄米を含まない)の5キロ当たり店頭価格(税抜き、7月2日現在)も公表した。最低価格は青森県と長野県で2780円、最高価格は滋賀県で4980円だった。
まとめ
今回のデータは、政府備蓄米の市場放出が国内のコメ価格に明確な下落圧力となっていることを示している。特にブレンド米を中心に値下がりが進んでおり、消費者はより安価なコメを入手しやすくなっている。今後、備蓄米の供給が市場価格にどのような影響を与え続けるか、その動向が注目される。
[出典] 農林水産省発表資料 / 毎日新聞