河合ゆうすけ戸田市議、大野埼玉県知事に反論 クルド人強制送還報道への知事見解に「表彰しとった」

今年1月に行われた埼玉・戸田市議会議員選挙で過去最多得票数によりトップ当選した「ジョーカー議員」こと河合ゆうすけ氏(44)が10日、自身のX(旧ツイッター)アカウントを更新した。埼玉県の大野元裕知事がX上で、20年以上にわたり不法滞在していたとされる川口市の34歳クルド人男性がトルコへ強制送還されたとする一部報道に私見を述べたことに対し、河合氏が異議を唱えた形だ。

大野知事のX投稿内容

大野知事は、強制送還されたクルド人男性が川口市内で実質的に会社を経営し、高級車に乗ったりテレビ出演するなど在留クルド人コミュニティのリーダー的存在だったと伝える記事を引用した。記事の内容を否定せず、知事は「いかなる国籍・民族であるかにかかわらず、法治国家たる我が国の法やルールに反する場合、然るべき措置を受けなければなりません。国においては、引き続き適正な対処を行われることを望みます」と投稿し、日本の法に従うことの重要性を強調していた。

河合氏の批判と過去の経緯

河合氏は、大野知事のこの投稿を引用する形で「お前表彰しとったやないか!!」と強く非難するコメントを付けた。この批判の背景には、大野知事が昨年1月、このクルド人男性が実質経営する解体工事業者が埼玉県に100万円を寄付したことに対し、男性に感謝状を贈呈していたという過去の事実が報道されていることがある。河合氏はこの過去の行動と今回の知事のコメントの間に矛盾があるとして指摘したものと見られる。

大野元裕埼玉県知事が、クルド人男性が実質経営する会社に対し感謝状を授与する場面。大野元裕埼玉県知事が、クルド人男性が実質経営する会社に対し感謝状を授与する場面。

河合氏とクルド人を巡る直近の出来事

河合氏は、今回の知事への批判に先立ち、2日には自身のXで「クルド人が戸田駅のセブンイレブン前で立ちションしてたので注意したら殴られました」と報告していた。さらに別の投稿で「みんな怖くて言えないだけで、こんな外国人がたむろっていたら怖くてコンビニも入れません」と述べ、立ちションをしているとする外国人の動画を投稿した。河合氏は「しかし私は言います。治安のために、彼らをのさばせてはいけないからです」と自らの行動の理由を主張している。

その後、3日には「外国人による暴行で、頸椎捻挫、左上腕打撲傷の診断がくだりました」と報告し、首にコルセットを巻いた自身の写真と診断書の一部を公開した。さらに、暴行を受けた箇所が痛むとして整形外科を受診し、頸椎のC5、C6あたりに異常がある可能性があると、エックス線写真も公開していた。これらの投稿は、埼玉県南部地域における一部外国人住民との間の緊張関係や治安問題に対する河合氏の強い関心と行動を示すものとなっている。

河合ゆうすけ戸田市議のX(旧ツイッター)投稿画面。埼玉県知事のクルド人強制送還に関する見解を引用し、過去の経緯について言及している様子。河合ゆうすけ戸田市議のX(旧ツイッター)投稿画面。埼玉県知事のクルド人強制送還に関する見解を引用し、過去の経緯について言及している様子。

結論

今回の河合ゆうすけ戸田市議による大野元裕埼玉県知事への批判は、一人のクルド人男性の強制送還という出来事を巡り、知事の過去の行動と現在の発言の間に見られるとされる矛盾点を突いたものである。これは、日本の法執行、外国人政策、そして地方における政治家のスタンスや言動が複雑に絡み合う社会問題の一側面を浮き彫りにしている。特に、埼玉県南部地域におけるクルド人コミュニティと地元住民、そして政治家の間の緊張関係は、今後も注視が必要な課題と言える。