浸水想定区域見直し、来年5月まで完了 千葉県議会で森田知事





千葉県議会12月定例会の代表質問で答弁に立つ森田健作知事=4日、県庁(永田岳彦撮影)

 千葉県の森田健作知事は4日の県議会本会議で、県管理の26河川中25河川で洪水浸水想定区域の見直しが完了していないことについて、来年5月末までに新区域図の策定を終える考えを示した。10月の記録的大雨では長柄町で男性2人が車ごと流されて死亡するなど、浸水想定区域外での被害が相次ぎ、県の対応の遅れを指摘する声が上がっていた。

 県は平成27年の水防法改正に伴い、浸水想定区域の指定に用いる大雨の基準を「50年に一度程度」から「1千年に一度程度」に変更。だが、県が管理する河川で新基準に基づく見直しが完了したのは26河川中1河川のみにとどまっている。

 この日は千葉民主の会と公明党による代表質問が行われ、公明党の阿部俊昭県議が洪水浸水想定区域の見直しの現状を質問したのに対し、森田知事は「水防法で対象となっている26河川については、来年5月末までに洪水浸水想定区域図を公表した上で、市町村のハザードマップ作成に必要なデータ提供や助言などの支援を行う」と説明した。

 千葉民主の会の松戸隆政県議は、全国最低の指定率にとどまっている土砂災害警戒区域について、指定を急ぐよう要求。森田知事は来年5月末までに指定率を50%に引き上げ、令和3年5月末に指定を完了させる方針を示した。国土交通省によると、今年10月末時点での指定率は全国平均が89・3%なのに対し、本県は36・9%にとどまっている。

 9月に本県を直撃した台風15号についても、阿部県議は「災害対応の初動や実態把握で県に危機感がなかったのではないか」と批判。森田知事は「危機感がなく初動が遅れたとの批判を重く受け止め、反省している」と重ねて陳謝した。



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