東大卒アイドル なつぴなつ、唯一無二のキャリアと「学歴」への思い

「推し活」文化が定着し、様々なアイドルグループが誕生する中で、メンバー全員が「旧帝大出身者」という異色のグループ「学歴の暴力」が注目を集めている。その創設メンバーであり、東京大学(東大)を卒業したなつぴなつ氏は、平日は会社員として働きながら、週末限定のライブ活動を4年間続けてグループを牽引してきた。彼女は最近、週刊誌で初めてグラビアにも挑戦し話題となった。この異色のアイドルは、「東大卒」という肩書きにどのようにたどり着き、そしてどう向き合っているのだろうか。

東大への道のり:理系を選んだ理由と受験体験

東大の理系学部には女性の割合が比較的少ないが、なつぴなつ氏自身はもともと理系が得意だったわけではなく、むしろ文系科目、特に国語や暗記科目が苦手だったため、消去法的に理系に進んだと語る。しかし、数学は大好きだったという。東大受験は大変な道のりだったが、「やればやるほど成績が伸びるのが楽しかった」と振り返り、受験時代は大変ながらも青春のように感じていたと述べている。塾には在籍していたものの、授業はほとんど受けず、主に自習室として利用していた。学校の勉強も行いつつ、基本的にはほぼ独学で学び、特に夏休みなどは毎日10時間もの勉強時間を確保していたという。東大合格への自信については、模試では常にA判定だったため「大丈夫かな」とは思っていたが、確信は持てず、合格発表を見るまでは不安だったという。実際にテストを受けた手応えとしては、大きなミスもなく普段通りできたと感じていたが、それでも合格発表を見た時は心底ホッとしたと語る。

大学時代または会社での一コマを捉えた、メガネをかけた東大卒アイドルなつぴなつの写真大学時代または会社での一コマを捉えた、メガネをかけた東大卒アイドルなつぴなつの写真

大学院で原子力研究、そして就職

東大入学後、工学部で環境やエネルギーについて学んだなつぴなつ氏は、大学院では放射線に関する研究を行った。大学院進学の最大の理由として、アイドル活動ができる期間を延ばしたいという思いがあったことを挙げつつも、大学で環境・エネルギーを学ぶ中で、東日本大震災の影響もあり原子力発電に強い興味を持ったことも理由の一つだという。なぜ放射線はそれほど恐れられるのか、がん治療や発電など、もっとうまく付き合っていけるものではないか、という考えから、放射線について深く学びたいと感じたことが、工学系研究科修士課程で2年間学ぶ動機となった。大学院修了後は、地元名古屋のテレビ局で2~3年間勤務。その後、現在のIT企業に勤めている。

「東大卒」という肩書きとの距離感

「東大院卒」という肩書きについては、あまり前面に出したくないという気持ちもあると明かす。「東大院卒」と言うと、「東大ではない別の大学を卒業してから東大の大学院に来たのだろう」といった「学歴ロンダリング」だと疑われることが多く、それが嫌だと感じているためだ。肩書きとして分かりやすく打ち出すなら、「東大卒」の方が良いと考えている。会社の上司や同僚には、アイドル活動について直接伝えたことはないが、時々ネットニュースなどで取り上げられることから知られることがあるという。突然、会社のチャットで記事を見たことを伝えられることもあるそうだ。

独特のキャリアパスを歩むなつぴなつ氏は、「東大卒」という自身の学歴とどのように向き合い、アイドル、そして会社員という二つの顔を両立させていくのか、今後の活動も注目される。


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