【07月14日 KOREA WAVE】夜市が開かれるソウル市鍾路区(チョンノグ)の屋台街周辺で、客による立ち小便が日常化し、周辺の飲食店や商業施設の経営者らが深刻な被害を訴えている。公衆トイレの不足が背景にあるようだ。
夜市周辺には約20の屋台が立ち並ぶが、公衆トイレは2カ所しかない。しかも、老朽化や破損が激しい。洗面台が壊れていたり、蛇口から水が出なかったりするし、そもそも便器の数が少なく、案内する標識もない。
だから客が店の近辺で用を足すケースが多発。居酒屋の店員は「先月は1日2回も店の入り口に小便をされた」と、防犯カメラの映像を示しながら嘆いた。
焼き肉屋の女性経営者も「トイレを封鎖すると入り口に排せつや嘔吐をされるので営業時間中は開放している」と話す。するとトイレの不具合が相次ぐようになり、今年に入って便器を交換する羽目になった。
ソウルには民間施設のトイレを一般の人が使える「開放トイレ制度」があるが、市内では2021年の1249カ所から2025年には1077カ所に減少。鍾路区でも81カ所から77カ所に減った。建物の所有者が自治体と協定を結べば衛生用品が支給されるが、トイレの維持費や修繕費には不十分なのが理由とみられる。
市民団体「トイレ文化市民連帯」のピョ・ヘリョン代表は「人気の観光地ほどトイレ開放での建物所有者の協力が不可欠。金銭的支援や制度面での柔軟な工夫が必要だ」と指摘している。
(c)KOREA WAVE/AFPBB News
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