中国国防省は、中国軍の戦闘爆撃機が日本の航空自衛隊機におよそ70mまで異常接近した問題について、中国軍機の行動は完全に正当かつ合理的だったと主張し、日本側を非難しました。この発表は、日中間の偶発的な軍事衝突のリスクに関する懸念を改めて浮き彫りにしています。
中国国防省による公式見解
中国国防省が13日に発表した報道官のコメントによると、最近、航空自衛隊の偵察機が繰り返し中国の東シナ海における防空識別圏に進入し、中国側に接近して偵察活動を行ったと指摘しています。
日本の自衛隊機(イメージ)中国軍機との異常接近事案に関連
その上で、中国軍機は法に基づいて追跡監視などの措置を行ったものであり、その行動は完全に正当かつ合理的であったと強調しました。中国側は、自国の主権と安全を守るための必要な対応だったとの立場を示しています。
日本側への非難と関係安定への言及
さらに、中国国防省は、自衛隊機が中国側に接近し、偵察や妨害を行っていることが、両国の空と海におけるリスクの根源となっていると述べ、問題の責任は日本側にあると非難しました。これは、従来の中国政府による軍事的な接近事案への対応方針を踏襲するものです。
東シナ海で活動する可能性のある中国軍機(資料写真)国防省の主張に関し
一方で、コメントは「我々は、両国が相互に歩み寄って、両国関係の安定と発展の雰囲気を醸成することを望む」とも締めくくられており、対立のさらなる深刻化を避けたいという中国側の思惑も垣間見えます。強硬な姿勢を示す一方で、外交的な解決や関係改善の余地も示唆しています。
日本側の対応
今回の中国軍機による自衛隊機への異常接近をめぐっては、10日に行われた日中外相会談において、日本の岩屋外相が中国側に対し深刻な懸念を表明し、再発防止を含めた強い対応を求めています。日本政府は、中国側の危険な行動が地域の安定を損なうものとして、厳重に抗議しています。
まとめ
中国国防省は、自衛隊機への異常接近について自国の行動を「正当」と位置づけ、日本側の偵察活動をリスクの根源として非難しました。しかし同時に、関係安定への期待も示しており、中国の複雑な対日姿勢が表れています。日本側は既に外相会談で強い懸念を表明しており、偶発的な衝突を避けるための両国間のコミュニケーションとルールの明確化が引き続き重要な課題となっています。
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