広告大手電通の東京本社(東京都港区)で、社員の違法残業などの労働基準法違反と労働安全衛生法違反があったとして、三田労働基準監督署が9月に是正勧告していたことが5日、同社への取材で分かった。
法人としての電通は平成29年、違法残業を防ぐ措置が不十分だったとして労基法違反の罪で有罪判決を受けた。その後も適正な労務管理を行っていなかった実態が指摘された。
電通によると、30年に労基法違反2件、安衛法違反1件があったとして是正勧告を受けた。いずれも9月4日付。
同社の労使協定では残業時間の上限を原則月45時間、事前申請すれば月75時間に延長できると定めていた。営業関連の部署で上限を超す違法残業が4回あり、最長は上限の2倍以上の月156時間54分だった。月75時間に延長するための事前申請をしなかったケースも6回あった。