2025年7月8日(現地時間)、3日間の日程で英国を公式訪問したフランスのエマニュエル・マクロン大統領夫妻を歓迎する式典がウィンザー城で執り行われました。この重要な外交の場に、キャサリン皇太子妃(43)が夫ウィリアム皇太子(43)とともにご出席。そこで披露された淡いピンクの構築的なバージャケットとロマンティックなチュールスカートを組み合わせた装いは、パリジャンシックと称され、その「ディオール」デビューが世界中の注目を集めました。これまで公の場でディオールを着用することがなかったキャサリン皇太子妃のこの選択は、単なるファッションの枠を超え、深い外交的意味合いを持つものとして大きな反響を呼んでいます。
ペールピンクのディオールで魅了:歓迎式典での初披露
英誌『HELLO!』によると、キャサリン皇太子妃はウィリアム皇太子とともにノースホルト空軍基地でフランス大統領夫妻をお出迎えしました。通常、相手国の国旗の色を取り入れることが多いとされるキャサリン皇太子妃の外交ファッションにおいて、今回は予想に反して優しいペールピンクのワントーンルックで登場。その美しいシルエットのジャケットと軽やかに広がるチュールのスカートがディオールの作品であることが判明すると、ファッション界のみならず、ソーシャルメディア上でも大きな話題となりました。
この日、キャサリン皇太子妃が着用したのは、ディオールの2024年コレクションから「30 モンテーニュ ローズ・デ・ヴァン バージャケット」でした。この上質なシルクとウールのブレンド素材で作られたジャケットは、1947年にクリスチャン・ディオール自身がデザインした象徴的な「ニュールック」を、ディオール初の女性クリエイティブ・ディレクターであるマリア・グラツィア・キウリ(61)が現代的に再解釈したものです。構築的なジャケットのシルエットは、チュチュのようにふんわりと広がるチュールのプリーツスカートによって優雅に引き立てられ、足元には定番のジャンヴィト・ロッシのスエードパンプスが選ばれました。
英国を象徴するブランドへの深い敬意から、これまで公の場で英国人デザイナーの服を着用してきたキャサリン皇太子妃にとって、フランスの代表的なブランドであるディオールを今回初めて選んだことは、英紙『The Times』が評したように「外交的な装い」のまさに成功例となりました。この選択は、ロイヤルファンはもちろんのこと、世界中のモード愛好家をも歓喜させ、キャサリン皇太子妃のファッションにおける新たな章の始まりを示唆するかのようでした。
キャサリン皇太子妃が、フランスのエマニュエル・マクロン大統領夫妻歓迎式典でペールピンクのディオールスーツを着用し、ウィリアム皇太子と並んで立つ姿。構築的なジャケットとチュールスカートが特徴的。
この装いを完成させるため、キャサリン皇太子妃は英国ブランドのアイテムも巧みにミックスしました。控えめなヌードカラーのマルベリーのクラッチバッグを持ち、優雅なウェーブヘアには、ロンドンを拠点とする帽子デザイナー、ジェス・コレットによるベビーピンクのリボンがあしらわれた美しいストローハットを合わせました。さらに、故ダイアナ元妃の「コリングウッドのパールピアス」とエリザベス女王のコレクションに属する3連パールネックレスを煌めかせ、フェミニンなワントーンルックに格調高い輝きを添えました。『The Times』はこの優雅な着こなしを「間違いなくキャサリン皇太子妃のベストルックの一つといえる」と絶賛しました。
英国王室とディオールの歴史的つながり
英国王室のメンバーで初めてディオールを纏ったのは、エリザベス女王の妹であるマーガレット王女(享年71)であったと米誌『PEOPLE』は伝えています。1951年、21歳の誕生日のポートレートで、クリスチャン・ディオール(享年52)が手掛けたゴージャスなドレス姿を披露し、当時大きな反響を呼びました。
また、故ダイアナ元妃(享年36)もディオールを象徴する存在の一人です。1996年、メットガラでは当時のクリエイティブ・ディレクター、ジョン・ガリアーノ(64)によるネイビーのスリップドレスを着用し、洗練された姿を見せました。特に有名な「レディ・ディオール」バッグは、ダイアナ元妃がこの時に持参していたバッグが、後に彼女に敬意を表して改名されたものだと伝えられています。近年では、2024年にカミラ王妃(77)がその「レディ・ディオール」を持ってウィンブルドン観戦に現れた際には、その意外な選択に驚きの声が続出しました。このように、ディオールは英国王室の歴史において、節目となる瞬間にたびたび登場してきたブランドと言えるでしょう。
晩餐会での「ジバンシィ」選択とファッション外交の集大成
フランス大統領夫妻の歓迎式典でディオールを初披露したキャサリン皇太子妃は、同日夜にウィンザー城で開催された公式晩餐会でも、再びフランスのブランドを選びました。この晩餐会では、彼女のウェディングドレスをデザインしたことでも有名な英国人デザイナーであり、現在はジバンシィのクリエイティブ・ディレクターを務めるサラ・バートン(51)が手掛けたドラマティックな真紅のケープドレスを纏いました。この装いは、キャサリン皇太子妃にとって2年ぶりとなるティアラ着用のフォーマルなルックでもあり、その姿は圧倒的な存在感を放っていました。
頭上には、故ダイアナ元妃が愛用していた「ラバーズ・ノット・ティアラ」を輝かせ、耳元ではエリザベス女王の豪華なシャンデリアピアスを揺らしていました。これら歴史あるジュエリーが、ジバンシィのケープドレスと相まって、より一層その威厳と美しさを際立たせていました。
キャサリン皇太子妃が一日でフランスを象徴する二つの高級ブランド、ディオールとジバンシィを着用したことは、彼女の「ファッション外交」が見事に成功した証として大いに称賛されました。それぞれのブランドが持つ歴史と、英国王室とのつながりを意識した選択は、訪問国への深い敬意と洗練されたスタイルを同時に示し、彼女のファッションセンスと外交手腕が光る一日となりました。
まとめ
今回のフランス大統領夫妻の英国公式訪問において、キャサリン皇太子妃が披露した二つのルックは、単なる美しい装いとしてだけではなく、英国とフランスの友好関係を象徴する「ファッション外交」の成功例として歴史に刻まれるでしょう。特に、これまで公の場で着用してこなかったディオールを選んだことは、フランスへの最大限の敬意を表すとともに、彼女自身のロイヤルファッションにおける新たなステージを示唆しています。歴史的な背景と現代的な感性を融合させたキャサリン皇太子妃の着こなしは、世界中の注目を集め続けることでしょう。
情報源
- SPUR – キャサリン皇太子妃、公の場で初「ディオール」! パリジャンシックな装いに大絶賛
- Yahoo!ニュース(参照元記事)
- HELLO! Magazine
- The Times
- PEOPLE Magazine