父親を知らずに育ったタレントの副島淳氏。テレビ番組の企画を通して実父の名前と顔が判明し、さらに長年憧れていたスポーツ選手と血縁関係にあったことが明らかになった際には、感動のあまり号泣したと報じられています。今年4月には自身も父親となった副島氏が、子を持つ親として今、どのような思いを抱いているのか、その心境に迫ります。
テレビ番組で自身の生い立ちを語るタレントの副島淳
生まれた時から知らなかった実父の存在
副島氏は、母親が日本人、父親がアフリカ系アメリカ人というルーツを持ちますが、両親が正式な結婚をしていなかったため、誕生時から父親とは一度も同居した経験がありません。母親は別のパートナーと結婚していた時期もありましたが、数年で離婚し、副島家は長い期間、母子家庭として生活していました。幼い頃から父親がいないことが当たり前だったため、副島氏自身が父親について積極的に尋ねることはなく、また家族会議などで父親の話題が上がった記憶もないといいます。2020年にテレビ番組の企画で父親の存在が明らかになるまで、名前も顔も知らなかったと明かしています。テレビ番組から父親探しのオファーが来た際も、「仕事として企画が成立するなら」という感覚で、個人的な強い思いから出演を決めたわけではなかったと語っています。父親が見つからなくても仕方ないという割り切った気持ちで臨んでいたのです。
芸能事務所登録当時の若き日の副島淳。現在の姿とは異なる印象で、父親のルーツを感じさせる
母親のメディアへの強い抵抗と、番組スタッフの尽力
企画が進行する中で、副島氏の母親は当初、メディアからの取材を全て拒否していました。自宅の撮影NG、音声を変えてのインタビューもNG、電話取材もNGという徹底した姿勢に、番組制作スタッフは困難を極めたと伝えられています。しかし、スタッフが半年間粘り強く交渉を続けた結果、母親が「紙1枚のアンケートにだったら答える」と応じたことに、副島氏自身も大きな驚きを感じたといいます。
親となり新たな視点で考える家族の絆
36年間知らなかった実父の存在が明らかになり、自身のルーツと向き合った副島淳氏。そして今年の4月に自身も父親となったことで、家族、親子の絆に対する考え方が一層深まったことでしょう。彼の経験は、多くの人々にとって、家族の多様な形や、自己のアイデンティティを探求する上での示唆に富む物語となるに違いありません。