参院選の前哨戦とされた6月22日投開票の東京都議選で、自民党は過去最低の獲得議席にとどまる大敗を喫した。この結果は、自民党がもはや「不要」という国民の審判なのだろうか。本稿では、経営コンサルタント・経済思想家の倉本圭造氏、国際政治学者の三浦瑠麗氏による鼎談から、自民党の存在意義と参院選の展望を紐解く。
国際政治学者が語る自民党の「必要性」と支持層の変化
国際政治学者の三浦瑠麗氏は、自民党が依然として必要であると主張する理由として、日本の広範な地域において「自民党以外の優位な勢力がエナジェティックに存在していない」という現実を強調しました。彼女は、現在の自民党の弱体化について、特に「若年層と子育て世代の支持離れ」が主な要因であると分析。これは「安倍政権時代にはついていた支持が離れていった結果」であると指摘しました。さらに、自民党の存在意義を問われた際、三浦氏は「自民党そのものが必要というよりも、自民党的なスタイルの人材発掘システムが必要」であると述べ、組織としての機能性や人材育成の重要性を訴えました。
自民党の存在意義と都議選、参院選の展望を議論する記事のイメージ画像
経営コンサルタントが見る自民党の「実行力」と他党との比較
一方、経営コンサルタントであり経済思想家でもある倉本圭造氏は、自民党の「問題解決能力」に焦点を当てた具体例を挙げました。彼は、大学制度改革に奔走していた大学教授の知人から聞いたエピソードを紹介。その教授が海外事例を参考にしつつ、日本の実情に合わせた周到な改革プランを練り上げ、各方面への説得に回った際、その価値と緊急性をいち早く理解し、具体的な行動に移してくれたのが、意外にも小林鷹之氏や平将明氏といった自民党の中堅議員グループであったと明かしました。倉本氏は、これに対して「左派政党は『けしからん』と批判はしてくれるものの、具体的な問題解決に向けて動いてくれない現状があるのではないか」と疑問を呈し、与党としての自民党が持つ実践的な役割の重要性を浮き彫りにしました。
今回の都議選での自民党の大敗は、その「存在意義」を問うものでした。三浦氏と倉本氏の議論は、自民党の必要性と直面する課題を浮き彫りにし、他党の趨勢や日本政治が向かうべき方向性、そして来る参院選の展望へと繋がります。本記事は動画内容の一部抜粋です。
参考文献
- 「都議選大敗の自民党、『存在意義』はもはやないのか? 三浦瑠麗氏・倉本圭造氏が徹底議論」ニューズウィーク日本版、2025年7月15日公開。 https://news.yahoo.co.jp/articles/4d0756097931d5608c8e256afe6d33d90844e50c