7月20日投開票の参議院選挙では、選挙区だけでなく、50議席が改選される比例代表区も全体の趨勢を左右します。特に注目されるのは、立憲民主党の公認で立候補した元民進党代表の蓮舫氏(57)と、参政党の公認で出馬した前代表の松田学氏(67)です。各党の代表経験を持つ二人のベテランが繰り広げる比例区での戦いは、今回の参院選の主要な焦点となっています。
蓮舫氏の再挑戦:都知事選からの転換と比例区への覚悟
2024年東京都知事選出馬で参議院議員を辞職後、約1年ぶりに国政復帰を決めた蓮舫氏。都知事選では小池百合子都知事、石丸伸二氏に次ぐ3位に終わり、直後に「国政選挙はもう考えていない」と表明していました。しかし今回の参院選への立候補を決断。この点についてはAERAの取材に対し「嘘つきという批判にはごめんなさいと言うしかない」と釈明しています。
7月9日、東京都品川区大井町での街頭演説で、蓮舫氏は聴衆に対し「1年ぶりに、自分の選挙で自分の政策を語らせていただいています」と訴えました。今回の参院選の主要争点として彼女が挙げたのは二点。一つは深刻化する物価高対策で、この7月だけでも2105品目の食品が値上がりし、さらなる高騰が予想される現状に警鐘を鳴らしました。二つ目は政権交代。衆議院で与党が過半数割れした状況を受け、今度は参議院でも与党の過半数割れを実現し、「まっとうな野党に力を与えていただく選挙」だと訴えました。
参院選比例区候補として街頭演説を行う蓮舫氏。聴衆に自身の政策と再挑戦への決意を訴える姿。
この演説には立憲民主党の阿部祐美子衆院議員(60)も応援に駆けつけ、「自分はこの道でいきたいという思いが生まれた時に次の一歩を踏み出せる。蓮舫さんも昨年国会議員の肩書を外され、SNSで素敵な、かわいい一面も見られましたが、やはり蓮舫さんには国会で戦ってほしい」と、蓮舫氏の国政復帰への期待を表明しました。街頭演説後、都知事選での敗北のショックについて問われた蓮舫氏は、「この前、(AERAの)取材で、お答えさせていただいています」と述べるにとどめ、詳細な言及を避けました。
比例区における松田学氏の役割
今回の参院選比例代表区では、蓮舫氏と同様に代表経験を持つ参政党前代表・元衆議院議員の松田学氏(67)も立候補しています。具体的な街頭演説の内容は本稿では触れられていませんが、与野党の勢力図に影響を与える比例区において、同氏がどのような存在感を示すか注目されます。特に、参政党は近年「オレンジ旋風」とも呼ばれる支持拡大を見せており、松田氏の動向は同党の議席獲得に大きく関わるものと見られています。
今回の参院選比例代表区は、蓮舫氏のようなベテラン政治家が直面する課題と、松田学氏のような勢いある政党の代表が果たす役割が交錯する重要な舞台です。物価高対策や政権交代といった喫緊の課題が争点となる中、有権者の選択が今後の日本の政治状況に大きな影響を与えるでしょう。
参考資料
- Yahoo!ニュース: 蓮舫氏と松田学氏、代表経験者2人の選挙戦を追った https://news.yahoo.co.jp/articles/313f2055a988f73321c233c71af0200f9f6e522a