故イ・ソンギュン氏恐喝事件、控訴審で量刑大幅増…「卑劣な犯行」と断罪

韓国の俳優故イ・ソンギュン氏を脅迫し、巨額の金銭を奪い取ったとして起訴された女性らに対する控訴審判決が16日、仁川地裁で下されました。今回の判決では、一審よりも50%以上重い実刑が言い渡され、改めて事件の深刻さが浮き彫りになりました。

故イ・ソンギュン氏恐喝事件で逮捕された女Aが、仁川地裁での勾留前被疑者尋問に出席する様子。故イ・ソンギュン氏恐喝事件で逮捕された女Aが、仁川地裁での勾留前被疑者尋問に出席する様子。

風俗店室長A氏の控訴審判決:懲役5年6月への増刑

仁川地裁刑事控訴3部は、恐喝などの容疑で起訴された風俗店室長A(31)に対し、一審の懲役3年6カ月を大幅に上回る懲役5年6カ月の実刑を言い渡しました。Aは今年6月に保釈されていましたが、この日の法廷で再び拘束されました。

裁判所は、Aの行為について「自身を信頼しているイ氏を相手に、卑劣といえるほどの恐喝犯行を行った」と厳しく指摘。さらに「被告人は故イ氏の死亡原因を提供したことを否定できず、遺族は今も深刻な苦痛を訴えている上、被害も回復していない」と述べました。加えて、保釈後のAの態度から「被告人が心から反省しているのか疑問を感じる」との見解を示し、量刑加重の理由としました。

元俳優B氏の控訴審判決:懲役6年6月への増刑

同様に、元俳優B(30)に対しても、一審の懲役4年2カ月を上回る懲役6年6カ月の実刑判決が下されました。裁判所はBについて「目的達成のために手段と方法を問わない邪悪な犯罪を犯した」と断罪。

また、「故イ氏に極度の恐怖心を発生させ、極端な選択に至らせた」と述べ、Bの行為がイ氏の悲劇的な死に繋がった可能性に言及しました。さらに、「詐欺罪で処罰を受けたにもかかわらず再び犯行に及び、遵法意識が欠如していることを立証した」と指摘し、その常習性と反社会性を厳しく非難しました。

事件の背景と恐喝の手口

この事件は、2023年9月にAが故イ氏に電話をかけ、「携帯電話がハッキングされ、脅迫を受けているため、口止め料が必要だ」と偽って約3億ウォン(約3000万円)を恐喝した容疑で始まりました。

元俳優Bは、Aがヒロポン(覚せい剤)を使用している情報と、故イ氏とAが親しいという事実を把握。BはUSIMチップを利用してハッキング犯のように振る舞い、Aを脅迫しました。しかし、Aがお金を出さなかったため、Bは2023年10月に直接故イ氏を脅迫し、5000万ウォンを受け取ったとされています。

結び

今回の控訴審判決は、故イ・ソンギュン氏を巡る恐喝事件に対する司法の厳格な姿勢を示しました。一審からの大幅な量刑増は、犯行の悪質性、被害の重大性、そして被告人の反省の態度が不十分であると判断された結果と言えます。この判決は、被害に遭われた故イ氏とそのご遺族の痛みに応え、犯罪行為に対する明確な警鐘を鳴らすものとして注目されます。


参考文献: