STARTO新社長・鈴木克明氏の就任挨拶に波紋 過去の“因縁”も再燃

STARTO ENTERTAINMENT(以下、STARTO社)の代表取締役社長が、6月下旬に福田淳氏から鈴木克明氏に交代しました。7月17日には、新社長の就任時の様子が報じられ、その内容が波紋を広げています。旧ジャニーズ事務所(現・SMILE-UP.)の性加害問題を受け、所属タレントの受け皿として設立されたSTARTO社は、信頼回復が急務とされています。

鈴木新社長の“軽口”が招いた波紋

鈴木新社長の就任挨拶は7月3日に行われました。その冒頭で鈴木氏は、「お騒がせしている局からまいりました」と笑顔で自己紹介したと報じられています。これに対し、会場は気まずい雰囲気に包まれたとされ、SNS上でも「ウケるとでも思ったんですかね」「真面目な場なんだから余計なこと言わないでいい」「社長の挨拶それで始まるの心配すぎる」といった冷ややかな声が多数寄せられました。中居氏と女性のトラブル発覚から約半年が経過し、企業としての信頼回復に努める時期において、この発言は軽率だったとの指摘が出ています。

STARTO ENTERTAINMENTの新社長に就任した鈴木克明氏(右)が、新たなエンターテイメント体制を担う姿。経営陣交代の瞬間を捉えた写真。STARTO ENTERTAINMENTの新社長に就任した鈴木克明氏(右)が、新たなエンターテイメント体制を担う姿。経営陣交代の瞬間を捉えた写真。

敏腕テレビマンとしての経歴と“フジの因縁”

鈴木氏は1981年にフジテレビに入社し、『めざましテレビ』の立ち上げに携わるなど、チーフプロデューサーとして敏腕を振るいました。編成制作局長、専務、フジ・メディア・ホールディングス取締役などを歴任し、2017年にはテレビ西日本社長に就任しています。フジテレビのトップであった日枝久氏の体制と一線を画した異動とされており、旧経営陣とは異なる派閥と見られています。しかし、36年間フジテレビに在籍した経験から、「軽いノリ」や、現在のフジテレビが抱えるマイナスイメージと結び付けられてしまった側面もあるようです。

未成年飲酒問題とガバナンス体制構築への課題

さらに、鈴木氏にはSTARTO社と深い因縁があります。2005年、『バレーボール・ワールドグランプリ2005』中継後、スタッフらが当時18歳だったNEWSの内博貴さんを交えて飲酒していた問題が発覚。菊間千乃アナウンサーも同席し批判を浴びました。この時、編集部編成局長だった鈴木氏も、酒席にいた社員の上司として現場の監督責任を問われ、減給処分を受けています。

このような過去があるため、鈴木新社長にはガバナンス体制の構築とコンプライアンスの徹底が強く求められるでしょう。福田前社長が再編成したジュニア体制への批判も高まっており、ファンは鈴木氏の働きぶりに厳しい目を向けています。鈴木氏は「より一層ファンの皆様や関係者の皆様に喜んでいただけるエンターテイメントをご提供すべく、新しい価値創造に取り組む所存です」とコメントしていますが、まさにその言葉通りの手腕が試されることになります。

信頼回復への道のり

STARTO社は、旧ジャニーズ事務所時代からの不祥事により失墜した企業イメージと信頼を回復する重要な局面を迎えています。新社長の鈴木氏が、過去の因縁を乗り越え、透明性の高いガバナンス体制を構築し、ファンや社会に真に貢献できるエンターテイメントを提供できるかどうかが、今後の焦点となるでしょう。“お騒がせしている事務所”とならないための、真摯な企業努力が期待されます。

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