高級腕時計、特にロレックスは、単なる時間を示す道具やファッションアイテム以上の価値を持つ「投資対象」として注目されています。市場の変動に強く、安定した資産としての側面が、近年の研究で明らかになっています。本記事では、世界有数の腕時計専門マーケットプレイスであるボブズ・ウォッチズの豊富な販売データに基づき、ロレックスの中古市場における価格推移と、その高い投資可能性について詳しく解説します。
ロレックスの隠れた資産価値:データが示す真実
腕時計専門マーケットプレイスのボブズ・ウォッチズは、2025年7月10日に発表したレポートで、過去15年間にわたる5万件以上のロレックス販売データを分析しました。このレポートは、中古市場におけるロレックスの価格推移と、高い投資効果を示した特定のモデル群を浮き彫りにしています。
2010年から2025年にかけて、数多くのロレックスモデルが大幅な値上がりを記録しました。中には600%以上も価格が上昇したモデルも存在し、現在の再販価格が2万ドル(約294万6600円)を超える個体も見られます。これは、ロレックスが単なる嗜好品ではなく、堅実な資産として機能し得ることを示唆しています。
ロレックス GMTマスターII「ペプシ」:安定した需要と高い投資価値を持つ高級腕時計
2025年2月にソーシャル・サイエンス・リサーチ・ネットワーク(Social Science Research Network)が発表した研究論文によると、高級腕時計市場はあらゆる資産クラスの中で最も価格変動が小さい市場であることが明らかにされています。腕時計の価格は株式市場の動きとほとんど連動せず、時間を経るごとに価値が上昇する傾向にあります。この安定性は、投資ポートフォリオにおけるリスク分散の観点からも非常に魅力的です。もちろん、個々のモデルの人気やトレンド、需要の変動が、中古市場での取引価格に影響を与えることは言うまでもありません。
中古高級腕時計市場の動向とロレックスの強靭さ
中古腕時計市場は、コロナ禍の2020年から2022年にかけて高級品への需要が世界的に高まったことでピークを迎えました。この期間中、多くの高級腕時計の価格が高騰し、投機的な動きも見られました。
市場全体としてはピーク時と比べて落ち着いた動きを見せる中でも、ロレックスは比較的堅調な推移を続けています。これは、パテック・フィリップ(Patek Philippe)、オーデマ・ピゲ(Audemars Piguet)と並ぶ「高級腕時計ビッグスリー」の一角としての確固たるブランド力と、世界的な信頼性、そして限られた供給量が要因と考えられます。
ボブズ・ウォッチズのポール・アルティエリ(Paul Altieri)CEOはBusiness Insiderに対し、「ロレックスは身に着けることができる実物資産であり、その価値のごく一部で保険をかけることができ、相続も可能だ。株式とは違い、市場が閉まって消えてしまうこともない」と語り、その資産としての特性を強調しています。中古販売データは、投資対象として価値の伸びが際立っている特定のロレックスモデルが存在することを示唆しており、将来性を見据えた賢明な選択肢となり得るでしょう。
ボブズ・ウォッチズのデータが明確に示すように、ロレックスの高級腕時計は、その優れたデザインと品質だけでなく、安定した資産価値を持つ投資対象としての魅力も兼ね備えています。市場の変動に強く、実物資産としての特性を持つロレックスは、ポートフォリオの多様化を検討する上で重要な選択肢となり得るでしょう。
参照元:
https://news.yahoo.co.jp/articles/c1e8b58465e1ebfd0b13092245fc5154863774c7