トランプ米大統領は16日、米国で中毒者が増えて社会問題になっている合成麻薬フェンタニルについて「中国が密造犯や密輸犯に死刑判決を下すだろう」と語った。中国側は反発している。ロイター通信が報じた。
トランプ氏はホワイトハウスで、フェンタニルを規制薬物の分類でヘロインや合成麻薬LSDと同じ「最も危険な薬物」に指定し、所持や密輸入などへの摘発を強化する超党派の法案に署名。署名式にはフェンタニルの過剰摂取で家族を失った人たちも参加した。
その際、トランプ氏は「中国は、フェンタニルを密造し、わが国に持ち込む者たちに死刑を宣告するようになるだろう。それはすぐに起こると確信している」と述べ、中国による規制に期待を示した。
これに対し中国外務省の林剣報道官は17日の記者会見で「フェンタニルは中国ではなく米国にとっての問題だ。米国は客観的な事実を直視すべきだ」と強調した。
在日中国大使館は18日、X(旧ツイッター)で「世界で最も厳しい薬物取り締まりを実施している国の一つとして、中国はフェンタニル類物質を含む薬物に対して常に『ゼロ容認』の姿勢を堅持し、責任ある態度で国際義務を履行している」などと投稿した。