【モスクワ共同】ロシア軍のゲラシモフ参謀総長は30日、ウクライナ侵攻の春から夏にかけての戦況報告を行い、2022年に一方的に併合した東部・南部4州の制圧面積を発表した。東部のルハンスク州で99.7%、ドネツク州で79%、南部のザポリージャ州で74%、ヘルソン州で76%と主張した。昨年12月にベロウソフ国防相が発表した数字と比べると微増した。
ゲラシモフ氏は、ロシア西部への攻撃を防ぐためのウクライナ領内の「緩衝地帯」づくりも成功裏に進んでいると強調。ウクライナ北東部スムイ州で13集落、東部ドニプロペトロウスク州で7集落を制圧したとした。
東部ハルキウ州でも緩衝地帯づくりは成功しているとし、ウクライナ軍が22年9月に奪還した要衝クピャンスクをほぼ封鎖し、約半分を制圧したと主張した。
ゲラシモフ氏は「現時点で戦略的な主導権はロシア軍が完全に握っている」と強調した。
ベロウソフ氏は昨年12月、ウクライナ軍が統制しているのはルハンスク州で1%以下、ドネツク州やザポリージャ州、ヘルソン州では25~30%だと主張していた。