参院選、自民党の苦戦鮮明化:田崎史郎氏が分析する支持率低下の要因

政治ジャーナリストの田崎史郎氏が18日放送のBS-TBS「報道1930」に出演し、20日に投開票される参院選で苦戦が伝えられている自民党の現状について解説しました。各社の終盤情勢調査からは与党の苦戦が浮き彫りになっており、非改選議席を含めた過半数(125議席)の維持も微妙な情勢にあると指摘されています。

自民党の石破茂総裁。参院選の情勢が注目される中、党の苦戦が報じられている。自民党の石破茂総裁。参院選の情勢が注目される中、党の苦戦が報じられている。

与党の苦戦と保守票の流出

今回の参院選において、自民党は特に厳しい状況に直面していると報じられています。序盤と比較しても、その苦戦の度合いは日ごとに増しているとの見方です。主な要因として、従来自民党が堅固に保持してきた保守票の一部が、参政党や国民民主党などの新興勢力や他党へと流出していることが挙げられます。これは、与党が過半数を維持できるかどうかの瀬戸際に立たされている現状をより複雑にしています。

選挙期間中の支持率変動メカニズム

田崎氏は、自民党の支持率が選挙期間中に入ると徐々に低下するという傾向を説明しました。選挙期間前は、自民党や公明党、あるいは総理大臣や政権側のニュースが圧倒的に多く、報道の露出も集中しがちです。しかし、選挙期間に入ると各党が平等に扱われるようになり、自民・公明の2党に対して批判的な立場を取る8党の声が同時に有権者に届くようになります。これにより、有権者は「こういう考え方もあるのか」と気づき、結果として自民党の支持率が段階的に落ちていくのが常だと田崎氏は分析しています。

参院選で苦戦が報じられる自民党候補を応援する高市早苗氏。与党の情勢悪化が懸念される。参院選で苦戦が報じられる自民党候補を応援する高市早苗氏。与党の情勢悪化が懸念される。

今回の急激な支持率低下の背景

しかし、田崎氏は今回の自民党の支持率の落ち込みが例年よりも激しいと指摘しています。その理由として、主に二つの要素を挙げています。一つ目は、参政党の予想以上の伸びです。特定の支持層から票を奪っていると見られます。二つ目は、選挙期間中に発生した鶴保庸介氏の失言です。

参院予算委員長を辞任した鶴保氏の「運がいい」発言は、能登半島地震を巡るもので、これが情勢悪化に大きな影響を及ぼしていると推測されています。こうした選挙期間中の予期せぬ出来事や、他党の伸長が複合的に作用し、自民党の苦境を加速させている可能性が示唆されています。

まとめ

今回の参院選における自民党の苦戦は、保守票の他党への流出、選挙期間中のメディア露出の変化による支持率の自然な低下傾向、そして参政党の台頭や鶴保氏の失言といった特定の要因が重なり合って生じていると田崎史郎氏は分析しています。投開票日が迫る中、これらの要素が最終的な結果にどのように影響するか、注目が集まります。

参考文献