石破首相辞任の裏側:田崎史郎氏が明かす辞意決断前の「本心」と緊迫の駆け引き

政治ジャーナリストの田崎史郎氏が7日、テレビ朝日系「有働Times」に生出演し、石破茂首相が辞意を決断する直前の「本心」と、それに至るまでの舞台裏での緊迫したやり取りを明らかにしました。世界が注目する日本の政局において、石破茂首相の突然の退陣表明は大きな衝撃を与えましたが、その裏には首相の座への強い執着と、側近たちによる粘り強い説得があったことが浮き彫りになりました。

石破首相、総裁選不出馬と退陣を表明

この日午後、石破茂首相は首相官邸で記者会見を開き、「このたび私は自由民主党総裁の職を辞することといたしました」と正式に発表しました。これにより、石破氏は首相の座を退く意向を示し、次期自民党総裁選への出馬も見送ることを表明しました。この決断は、長きにわたる政局の憶測に終止符を打つものでしたが、その背後には劇的な展開が隠されていました。

辞意決断への道筋:菅副総裁と小泉農相の説得

田崎氏の説明によると、石破首相は辞意表明前夜の6日、菅義偉副総裁、そして小泉進次郎農相と会談を持ったといいます。この会談で、菅氏からは直接、首相辞任を進言されたとのことです。菅氏が退席した後も、小泉農相が長時間にわたり石破氏を説得し続けた結果、石破氏は「明日、記者会見だな」と、ついに覚悟を決めるような発言を残したとされています。この夜の会談が、石破首相の決断を決定づけた重要な転換点であったことがうかがえます。

テレビ朝日社屋、政治ジャーナリスト田崎史郎氏が生出演した「有働Times」の放送局テレビ朝日社屋、政治ジャーナリスト田崎史郎氏が生出演した「有働Times」の放送局

揺るがぬ決意:慰留を退けた石破氏の「覚悟」

翌7日には、岩屋毅外相と赤沢亮正経済再生担当相という2人の現職閣僚が首相官邸を訪れ、石破首相に対し慰留に努めました。しかし、田崎氏は「そこは揺れなかったんです。昨日の菅さん、進次郎さんとの会談が一番、胸にストンと落ちたんだと思います」と推測を交えながら、石破氏の決意が固いものであったことを強調しました。一度下された決断は、もはや覆されることがなかったことが示されています。

辞任直前まで解散を画策:官房長官人事案まで

さらに驚くべきは、石破氏が辞任を表明する直前まで、衆議院の解散を画策していたという事実です。田崎氏によると、8日には事実上の退陣勧告となる総裁選前倒しの意思決定決議が行われる予定でしたが、石破氏は「その直前まで解散のことを言われていて、8日に前倒し総裁選が決まるなら、即刻解散と」語っていたといいます。

解散には閣議決定が必要となりますが、石破氏は「たとえば、林官房長官が署名しなくても、林さんには辞めてもらって、赤沢さんを官房長官にして、それでもやるという話をしているんです」と、解散後の組閣人事案まで具体的に検討していたことを田崎氏は明かしました。石破氏がいかに首相の座にこだわり、解散総選挙という手段で状況を打開しようとしていたかが伝わるエピソードです。田崎氏は、「本気だったんですよ。それが金曜日まで続いて、土曜日にようやく説得が効いた」と語り、石破氏の強い執着心と、周囲の説得が最終的に実を結ぶまでの激しい攻防があったことを示唆しました。

結論

今回の石破茂首相の辞任劇は、単なる表向きの発表に留まらず、水面下で繰り広げられた激しい政治的駆け引きと、首相自身の深い葛藤の末に下された決断であったことが、政治ジャーナリスト田崎史郎氏の証言によって明らかになりました。首相の座への強い執着と、それを覆すための側近たちの説得、そして解散総選挙をも視野に入れた最後の抵抗は、日本の政治史に刻まれる重要な一ページとなるでしょう。


参考文献:

  • Source link (Yahoo!ニュース記事「田崎史郎氏、辞任決断前の石破茂首相の“本心”明かす 解散後の組閣人事案まで示唆」)
  • テレビ朝日「有働Times」放送内容