サウジアラビアの「眠れる王子」アル・ワリード王子が永眠、20年間の昏睡状態の末に

サウジアラビアで長年「眠れる王子」として知られていたアル・ワリード・ビン・ハリド・アル・サウード王子が、36歳でこの世を去りました。20年以上にわたる昏睡状態と懸命な延命治療の末の訃報に、世界中から注目が集まっています。

サウジアラビア国旗、故アル・ワリード王子に関する国際ニュースの背景を示すサウジアラビア国旗、故アル・ワリード王子に関する国際ニュースの背景を示す

悲劇の発端:16歳での交通事故

アル・ワリード王子は1990年4月に生まれ、サウジアラビア初代国王アブドゥルアズィーズ・イブン・サウードのひ孫にあたります。悲劇が起こったのは、彼が16歳だった2005年。当時、英国ロンドンの士官学校に通学中、交通事故に遭い、深刻な脳出血を負って昏睡状態に陥りました。この事故以来、王子は人工呼吸器に繋がれ、延命治療が続けられることとなりました。

「眠れる王子」としての長い闘い

事故から20年以上もの間、アル・ワリード王子は意識を取り戻すことなく、文字通り眠り続けました。その姿から、彼は国内外で「眠れる王子」と呼ばれるようになりました。彼の父親であるハリド・ビン・タラール・アル・サウード王子(63)は、息子のベッドサイドを離れることなく、回復を信じて見守り続けてきました。

父親からの深い悲しみの公表

2024年7月18日(現地時間)、ハリド・ビン・タラール・アル・サウード王子は自身のX(旧ツイッター)アカウントを通じて、「神の御心と運命を信じる気持ちで、深い悲しみと痛みをもって、最愛の息子アル・ワリードを悼む」と投稿し、息子の死を世界に知らせました。この発表は、長年の苦闘とその終焉を物語るものでした。

弔問の受付と国際的な反響

アル・ワリード王子の遺族は、20日から3日間、サウジアラビアの首都リヤドにあるアル・ワリード宮殿で弔問を受け付けると発表しました。このニュースは、サウジアラビア国内だけでなく、中東地域や世界の国際ニュースとして報じられ、長きにわたる王子の闘いを知る多くの人々が哀悼の意を表しています。


参考文献: