【話題】青木理「学術的知見では関東大震災の朝鮮人虐殺数がわからないからといって、朝鮮人虐殺の否定は飛躍だ」[12/6]
● 朝鮮人虐殺をなかったことにしたい人たち―「歴史修正主義」の理由に迫る
昨今、「歴史修正主義」という言葉が飛び交っている。事実や歴史的研究・知見の積み上げに基づいて証明されてきた歴史を、嘘や歪曲によって塗り替えるのが歴史修正主義だ。11月26日(火)放送の『JAM THE WORLD』のワンコーナー「UP CLOSE」では、ジャーナリストの青木 理と、『TRICK-トリック 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち』(ころから株式会社)の著者であるフリーライター/編集者の加藤直樹を迎え、この問題について考えた。
【11月26日(火)『JAM THE WORLD』の「UP CLOSE」(ナビゲーター:グローバー/火曜担当ニュースアドバイザー:青木理)】
■歴史修正主義は「負の歴史を無にしたい欲望」
『TRICK-トリック 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち』は、歴史修正主義の手口や危険性をまとめた一冊だ。加藤によると、歴史修正主義については、「研究を重ね、新しい知見が出てきたことで歴史観が変わるのは、悪いことではないのでは?」という意見もある。しかしこれは誤解だ。
加藤:「歴史修正主義」は、まともな研究の発展ではなく、歴史学の積み重ねや吟味されてきた事実を無視して、最悪の場合は事実を捏造したり、無理な論の立て方をしたりして、強引に自分の求める結論に持っていくことです。たいていは、自分の国の負の歴史をなかったことにしたいという欲望でやっているものがほとんどです。
■朝鮮人虐殺における歴史修正主義は、どんなものか
加藤の著書は、関東大震災における朝鮮人虐殺を題材としている。青木は朝鮮人虐殺が起きた背景を訊いた。
青木:歴史的な知見と事実に基づいて言えば、関東大震災のときに朝鮮人虐殺はあったわけですね? これは、どういうところから歴史的な知見や事実が積み上げられているのでしょうか。
加藤:これは残っている資料や記録があまりにも多いので、否定しようがないことなんです。東京や横浜で起きたことなので、大量の公文書や証言が残っています。具体的に言うと、当時の司法大臣が日記の中で「各地で朝鮮人が故なく虐殺されている」と書いている。また、事件が収まったあとには、警視庁や司法省が記録をまとめている。そして実際、朝鮮人を殺した罪で起訴された日本人というのも、三百何十人、朝鮮人と間違えて日本人を殺した人まで含めれば、566人の日本人が起訴されているんです。
青木:当時は今のようにネットとかがあるわけではないし、ラジオもないんですよね。そんな状態で首都機能が壊滅したわけだから、基本的にはどういう状況になっているのか、まったくわからない。その中で、いろんな噂や誹謗中傷が拡散していったわけですよね。
加藤:はい。流言飛語(※世の中で言いふらされる確証のない噂話)の状況がひどかったのです。朝鮮人のことだけではなく、「首相が暗殺された」「伊豆大島が沈没した」「富士山が爆発している」などの流言も広がりました。その中でも朝鮮人への流言は、地震の中で起きている不安を全部、説明していくわけです。井戸が変色すれば「(誰かが)毒を入れた」「朝鮮人に違いない」という形で、流言とともに朝鮮人への迫害や殺害が広がっていく。特に当初は警察も(流言を)信じてしまい、その結果、警察が流言を拡散してしまうことが事態を悪化させました。
行政機関が、「朝鮮人が暴動を起こしている、というのは事実ではない」と気づいたのは9月3日。「事実無根である」と関東戒厳司令部がビラを撒くなどして否定するのが6日頃。その頃には虐殺も収まり、世の中が落ち着いていく。翌月には、さまざまな知識人が「ひどい事件だった」と振り返るようになる。
しかし、朝鮮人虐殺における歴史修正主義として、流言飛語として語られていた「朝鮮人が放火をした、暴動を起こした」などが事実である、と主張する人たちがいると、加藤は解説した。
歴史修正主義では、「犠牲者の数」が問題になることが多い。「朝鮮人虐殺も、被害者の数がひとつの焦点になっているわけですよね」と青木が問うと、加藤は「学問の世界では、朝鮮人虐殺の歴史修正主義が横行しているわけではない」と前置きした上で、こう話した。
https://news.j-wave.fm/news/2019/12/1126-7.html
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