自民党支持層と野党支持層で異なる首相候補評価:世論調査が示す「意外な」結果と専門家の分析

自民党の参院選敗北を受け、政権の今後と首相の進退問題が注目を集める中、テレビ朝日「モーニングショー」は、首相にふさわしい人物に関する最新の世論調査結果を取り上げた。この調査は、国民の間で次期リーダーに対する期待がどのように分かれているかを浮き彫りにしている。

読売新聞世論調査結果:次期首相にふさわしいのは?

21日から22日にかけて読売新聞が実施した緊急世論調査では、「自民党中心の政権が継続する場合、首相にふさわしいのは誰か」という問いが、自民党支持層、野党支持層、そして無党派層のそれぞれに投げかけられた。この調査結果は、23日付の読売新聞紙面で詳細に報じられている。

自民党支持層の回答では、小泉進次郎氏、石破茂氏、高市早苗氏の順で支持を集める結果となった。一方、野党支持層においては、高市氏が意外にもトップに立ったことが明らかになり、番組内でも「自民党では高市さんは石破さんよりも下なのに、これは意外だ」という声が上がった。

テレビ朝日「モーニングショー」で、読売新聞の世論調査に基づく自民党の首相候補に関する分析が進行中。玉川徹氏らが討論に参加。テレビ朝日「モーニングショー」で、読売新聞の世論調査に基づく自民党の首相候補に関する分析が進行中。玉川徹氏らが討論に参加。

玉川徹氏の分析:石破氏と高市氏の評価の「意外な」差

番組コメンテーターの玉川徹氏は、この支持層間のギャップに深く切り込んだ。玉川氏は、自民党支持層の中で高市氏が石破氏を下回る理由について、「石破さんに対してこれだけ批判があるにもかかわらず、自民党支持層が高市さんを選べないのは、もし高市さんが総理大臣になった場合のことを考えた時、不安を感じる人が多いからではないか」と分析した。これは、高市氏の政策やスタンスが、必ずしも自民党の主流派や一般的な支持層の考えと完全に一致しない可能性を示唆している。

さらに玉川氏は、野党支持層が高市氏をトップに選んだ点について、「ここはおもしろく、皮肉な見方をすれば、自民党が高市氏を選んだ場合、野党にとって有利に働くという見方もあるのではないか」と指摘した。これは、高市氏の首相就任が、野党が攻勢をかけるための「隙」を生み出す可能性を示唆する、戦略的な視点である。

政治評論家・田崎史郎氏の見解:自民党内のバランス

玉川氏の見解を受け、政治評論家の田崎史郎氏は、「確かにそういう側面もある」と同意した上で、昨年の自民党総裁選における高市氏と石破氏の対決を振り返った。田崎氏によれば、高市氏は国会議員票の決選投票で勝利が期待されながらも、「靖国神社参拝を続ける」といった発言が、外交政策上リスクを伴うとの懸念を招き、結果として反高市票が石破氏に流れる形で石破氏が勝利した経緯があるという。

田崎氏は、こうした過去の経験から「自民党なりのバランスが働いている」と分析し、党内には特定の候補が首相となることへの慎重な姿勢が存在することを示唆した。

まとめ:責任ある政党としての自民党の視点

一連の分析を通じて、玉川徹氏は最後に「自民党から政府が作られる以上、政府としてどう動いていくかを、当然ながら自民党の責任ある政治家は考える。そういう視点が自民党の中にあるということは、少し安心できる」と締めくくった。これは、自民党が単なる選挙結果に一喜一憂するだけでなく、国全体の運営という大きな責任を意識し、リーダー選びにおいても慎重な判断を下そうとする姿勢があることを評価する見方である。今回の世論調査結果は、今後の日本の政治動向、特に自民党内の権力移行において重要な指標となるだろう。


参考資料

  • テレビ朝日「モーニングショー」
  • 読売新聞 2025年7月23日付紙面
  • Daily Sports Online: 「意外!石破氏より下とは 自民支持層に不人気な首相候補」 (2025/07/08)
    • Note: This specific article link from the original text seems to be from a different date (July 8th vs. July 24th of the main article’s topic) and potentially a past event, likely referenced for historical context of candidate popularity. The primary source for the poll is Yomiuri Shimbun.
  • Yahoo!ニュース: