お笑い界の第一線で活躍し、俳優としてもその実力を高く評価される原田泰造氏。彼が主演を務める映画『映画 おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』の公開を控え、現代社会における「おっさん」のあり方、そして自己を常に更新し続けることの重要性について深い洞察を語りました。55歳を迎え、日々身体の変化を感じながらも、固定観念にとらわれず自由に人生を謳歌する原田氏の生き方から、これからの時代を生き抜くヒントが見えてきます。本記事では、彼が考える「イケてるおっさん」の定義と、時代の変化にいかに対応していくべきかを探ります。
原田泰造が語る、『映画 おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』での新たな挑戦と現代社会における価値観のアップデート
日常で感じる「おっさん化」と秘めたる「モテたい」願望
ドラマ版に続き、映画でも銭湯での「おっパン」(おっさんのパンツ姿)を披露した原田泰造氏。サウナーとしても知られる彼の堂々とした姿は、多くの視聴者に「かっこいい」という印象を与えました。しかし、原田氏自身は、役柄の「誠」を“普通の‟おっさん”として捉え、「体が引き締まりすぎていてもいけないし、ある程度の肉もついていなきゃ」と考えていたと明かします。日々の生活の中で、55歳という年齢ゆえの体の痛みや疲れを実感し、「おっさんになったな」と感じる瞬間は少なくないと言います。そんな中でも、「かっこよく年を重ねる」ために意識していることについて問われると、意外な願望を打ち明けました。「お酒はあまり飲まないので、そういう場所には行かないけれど、気持ちとしては『モテたい!』と思っています」と、茶目っ気たっぷりに語る姿からは、人間味あふれる魅力が溢れていました。
令和時代に求められる「人間アップデート」の重要性
大ヒットドラマが映画化された今作で、昭和の価値観に凝り固まっていた主人公・誠は、令和の時代に合わせて価値観をアップデートしていきます。原田氏自身も、誠を演じる中で多くの共感を覚え、共に自己を更新していく感覚があったと語ります。彼は現代社会における自己変革の必要性を、スマートフォンに例えて説明しました。「スマホで毎晩のように『アップデートが何個あります』って出てくるでしょ。人間も、ああやって更新されていかなきゃいけないんだろうなと思うんです」。これは単に若い世代に合わせるということとは異なり、社会全体の価値観が変化していることに適応していくことの重要性を示唆しています。
お笑い芸人・俳優の原田泰造氏が、「おっさんの自由さ」について語るインタビュー風景
原田氏は具体例を挙げ、「僕が若い頃なんて、立ちションしてる人なんて普通にいたけど、今はいないですよね」と、過去と現在の明確な違いを指摘します。また、現代の若者について、「今はいわゆる“生意気な若者”が少なくなったでしょ。尖った感じとかがない」と感じていると言います。「若いときって『オレが一番!』って思いがちなものだけど、そこから削られていく。でも今は、最初から削られてる状態で社会に出てくる。だから怖くて」と、今の「ニュータイプ」とも呼ばれる世代への率直な印象を語りました。映画にも登場する「退職代行」サービスについて、誠がそれを最初から受け入れていることに驚きつつも、「もう当たり前なんだな」と現代社会の新たな常識を認識。もし自身の若い時代に退職代行があれば、「使いまくっていたかもしれない」と冗談めかして語る場面からは、固定観念に囚われず、柔軟に物事を捉える彼の姿勢が垣間見えます。
「自由であること」が拓くこれからの「おっさん」像
原田泰造氏の言葉からは、年齢を重ねることを臆することなく、むしろ変化を前向きに捉え、自己を常に「アップデート」し続けることの重要性が伝わってきます。彼は、現代において「おっさん」であることが必ずしも「肩身が狭い」ことではなく、「実は自由な生き物」であると語り、固定化されたイメージから脱却し、個々の価値観で人生を謳歌する可能性を示しています。社会の価値観が目まぐるしく変わる令和の時代において、原田氏のように柔軟な思考を持ち、自らを進化させ続ける姿勢こそが、「イケてるおっさん」として、そして「イケてる人間」として輝き続けるための鍵となるでしょう。