バッテリィズ・エース、M-1準優勝でも父は褒めず?型破りな教育と哲学

人気お笑いコンビ、バッテリィズのエースが、フジテレビ系『ボクらの時代』(日曜午前7時)に出演し、自身の父親にまつわるユニークなエピソードを語りました。M-1グランプリでの準優勝という快挙にもかかわらず、父から褒められることのなかった経験や、その型破りな人生観が明かされ、視聴者の間で大きな反響を呼んでいます。エースのパーソナリティ形成に深く関わる父親の人物像に迫ります。

M-1グランプリ準優勝を果たしたお笑いコンビ・バッテリィズのエース。フジテレビ系『ボクらの時代』で父親とのエピソードを語る姿。M-1グランプリ準優勝を果たしたお笑いコンビ・バッテリィズのエース。フジテレビ系『ボクらの時代』で父親とのエピソードを語る姿。

「褒めない父」が育んだエースの価値観

番組では、エース、令和ロマンの高比良くるま、伊沢拓司の3人がトークを展開。高比良くるまが「どういう家庭だったの?」と問いかけると、エースは「めっちゃ普通やな。親も別に仲良いし。結構、幸せな家庭ではあったと思う」と答えつつも、「褒められたりはしてないか」と振り返りました。この言葉に対し、共演者からは「褒められて育ってそう」「褒められて伸びるタイプっぽい」といった意外な反応が。しかし、エースは「全然。褒められたことない」と断言しました。

特に印象的なのは、M-1グランプリ2024でバッテリィズが準優勝という輝かしい成績を収めた時の父親の反応です。「優勝してたら褒められてたかもしらんけど、準優勝でも『よかったな。おめでとう』って言えるじゃないですか。全然、言わへん。『おぉ、すごいなぁ』みたいな……」と、そのあっさりとした態度を明かしました。この「褒めない」教育方針が、エースの自己認識や価値観の形成に大きな影響を与えていることが伺えます。

「意味が分からないことはしない」父の哲学

エースの父親の個性が際立つのは、その独特な「哲学」です。一昨年、母親が亡くなった際の葬儀のエピソードは、その最たるものと言えるでしょう。エースは「お母さんが一昨年亡くなって、お坊さんを呼ぶじゃないですか。お葬式に」と語り始めました。しかし、父親は泣きながらお坊さんに電話で「お坊さんはわけ分からないんでいりません」と伝えたというのです。エースは、その理由として「いっぱい(お経を)読んで、あれで何十万(円)も取られんねん。あれ、わけ分からへんねん」と父親から説かれたことを明かしました。伊沢拓司も「漫才みたいなことが現実に起こってる」と驚きを隠せません。

さらに、お墓についても父親は「石やんか。なんで石建てて何十万(円)も……。それやったら、お前らと旅行行くわ」と、墓を建てることを拒否。現在も母親の遺骨は「家にある」とされています。また、葬儀の際には「チェックの白黒ズボンを履いてきた」という逸話も。これも「意味が分からんことはせえへん」という父親の徹底した合理主義と、既存の慣習に囚われない自由な価値観の表れです。高比良くるまも「ある種、極限の状態でそれなわけですから、本当にそうなんでしょうね」と納得した様子でした。

型破りな父から受け継いだ「尊敬」の念

父親の型破りな行動は、日常生活にも及んでいました。エースは「(父親は)会社とかもすぐ辞めてくる」と明かし、「言いたいことを全部言ってしまうから。よう揉めてる」と苦笑い。しかし、高比良くるまが「別に文句言うとかじゃなくて、素直に『おかしいんじゃないですか?』とか言っちゃうから。すげー。ルーツというかドラマになりそうですね」と感心すると、エースは「考え方は、尊敬はしてますね」と深く語りました。

一般的には理解されにくい行動の数々も、「意味の分からないことには従わない」「自分の意見を正直に述べる」という父親の一貫した哲学から来ていることをエースは理解し、その考え方を深く尊敬していることが窺えます。型にはまらない父親の生き方が、エース自身の芸風や人間性にも多大な影響を与え、唯一無二の存在として彼を形成していると言えるでしょう。

まとめ

バッテリィズのエースが明かした父親のエピソードは、単なる面白い話に留まらず、現代社会における家族のあり方、教育、そして個人の価値観について深く考えさせるものでした。「褒めない」教育や、社会の慣習にとらわれない独自の哲学を持つ父親の存在は、エースの人間形成に不可欠な要素であり、彼の芸人としての魅力の源泉となっていることが示されました。この型破りな父親への深い尊敬の念が、エース自身の今後の活躍にも繋がっていくことでしょう。

参考文献

  • ENCOUNT編集部 (2025年7月27日). 「ボクらの時代」出演のバッテリィズ・エース、M-1準優勝でも父は褒めず「わけ分からへんねん」と葬儀も拒否. ENCOUNT. https://encount.press/archives/833514/