劇場版「鬼滅の刃」無限城編、猗窩座再来が巻き起こす感動の嵐と興行の成功

2020年に公開され、驚異的な興行成績を記録した『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』から5年。2025年夏、待望のアニメ『鬼滅の刃』劇場版最新作、『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』(以下、猗窩座再来)が公開され、期待を上回る大きな盛り上がりを見せています。

公開初日から熱狂、猗窩座への新たな視点

夏休みを目前に控えた7月18日の封切りは、その盛り上がりに拍車をかけました。平日にもかかわらず、TOHOシネマズ日比谷は休日のアミューズメントパークのような活気に満ち、多くの観客が涙を流す光景が見られました。その涙の対象は、まさかの十二鬼月・上弦の参である猗窩座でした。

猗窩座は、『無限列車編』のクライマックスで初登場し、鬼殺隊の炎柱・煉獄杏寿郎を打ち倒し、主人公・竈門炭治郎たち、そして観客に絶望を与えた存在です。アニメ版のみを追ってきた人々にとって、猗窩座は憎むべき鬼の筆頭であり、炭治郎の心境とほぼ同調するでしょう。しかし、原作漫画のファンにとっては、猗窩座は高い人気を誇るキャラクターの一人でもあります。彼は強さへの執念を持ち、自身が強敵と認めた相手には敬意を払う武士道精神の持ち主です。今作『猗窩座再来』では、彼がなぜ“強さ”に執着する鬼となったのか、その過去と背景が明かされます。

劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来の公式ビジュアル。迫力ある猗窩座と無限城の世界観を示す。劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来の公式ビジュアル。迫力ある猗窩座と無限城の世界観を示す。

アクション映画としての魅力と人間時代の姿

『鬼滅の刃』の原作が連載されていたのは『週刊少年ジャンプ』であり、同誌の三大原則である「努力・友情・勝利」が力強く描かれています。バトルシーンが多いため、劇場版ともなれば純粋なアクション映画としても非常に優れており、そのダイナミックな動きには息をのむほどです。人間時代の猗窩座は素手で戦う格闘家であり、その戦闘スタイルは鬼となってからも変わりません。肉弾戦が彼の戦闘の中心です。人間離れした炭治郎たちをも圧倒する能力を有していますが、その基礎は全て彼の肉体にあります。もちろん猗窩座も強力な血鬼術を使いますが、それらを支えているのも肉体的な強さであり、アクションの純度をさらに高めています。観客によっては、猗窩座の姿がまるで一流アスリートのように映ることもあるでしょう。

まとめ

『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』は、単なる人気アニメの続編に留まらず、キャラクターの深掘りや壮絶なアクション描写を通じて、観客に深い感動と興奮を提供しています。特に猗窩座の過去が明かされることで、彼の人間性が浮き彫りになり、多くの人々が彼に涙を流す理由となっています。本作は、興行的な成功だけでなく、物語の新たな側面を提示する作品として、今後も多くの話題を集めることでしょう。

参考資料

  • 吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
  • 週刊少年ジャンプ