中国の記録的豪雨、北京などで洪水・土砂崩れ相次ぎ死者38人に

中国の首都北京およびその周辺地域で記録的な大雨が続き、大規模な洪水や土砂崩れが頻発しています。この壊滅的な豪雨災害により、これまでに合わせて38人の死亡が確認されており、被災地では甚大な被害が報告されています。

記録的な豪雨による壊滅的な被害

中国のSNSに投稿された北京市郊外の映像は、今回の災害の深刻さを物語っています。大量の泥水が住宅街に流れ込み、何台もの乗用車が大量のがれきと共に無残にも押し流されている様子が映し出されています。ある撮影者は「うちの車が流された。ぷかぷか浮いている」と、その信じがたい光景を語っています。中国国営メディアによると、ここ数日の豪雨により全国で41の河川が氾濫しました。特に北京や隣接する河北省などでは、洪水や土砂崩れの発生が相次ぎ、住民生活に深刻な影響を与えています。

中国北京郊外の記録的豪雨により冠水した道路で押し流される乗用車とがれき中国北京郊外の記録的豪雨により冠水した道路で押し流される乗用車とがれき

冠水した道路で車が流される河北省の映像では、車に乗っていたとみられる女性が救助される緊迫した場面や、車から脱出したものの電柱にしがみつき動けなくなっていた女性が救い出される様子が見られました。北京市では、この大雨により30人が命を落とし、約8万人が避難を余儀なくされています。また、28日の時点で136の村で停電が発生し、通信や電力供給にも大きな支障が出ています。河北省では、土砂崩れによって8人が死亡、4人が行方不明となっており、捜索活動が続けられています。北京市郊外に住む女性の家では、2階の壁に穴が開き、大量の土砂が流入。女性は泥の撤去作業に追われる日々を送っています。

今後の警戒と国際社会の動向

中国の気象当局は、今後数日間も豪雨が続き、土砂崩れや洪水といった災害リスクが高まる可能性があると指摘し、住民に対して厳重な警戒を呼びかけています。被災地では救援活動が急ピッチで進められていますが、広範囲にわたる被害のため、復旧には時間を要すると見られています。今回の中国における記録的な豪雨災害は、地球規模での気候変動の影響を改めて浮き彫りにしています。国際社会もこの状況を注視しており、今後の支援の動きにも注目が集まります。

今回の豪雨とそれによる災害は、中国各地に甚大な被害をもたらし、多くの人々の生活を脅かしています。気象当局からの継続的な警戒情報に留意し、これ以上の被害が拡大しないよう、最大限の対策が求められます。

参考資料