柔らかな秋の日差しが降り注ぐ中、東京・元赤坂の赤坂御苑にて恒例の秋の園遊会が盛大に開催されました。各界の功労者やその配偶者ら約1500名が出席し、和やかな交流が繰り広げられたこの催しで、ひときわ注目を集めたのは愛子さま（敬宮愛子内親王殿下）と佳子さま（秋篠宮佳子内親王殿下）のお召し物でした。お二方が披露された「リンクコーデ」は、皇室の新たな魅力と伝統に則った調和を印象付け、多くの人々の心に温かい感動を与えました。本記事では、この注目の園遊会での装いとその背景、そして皇室の方々の穏やかな交流について深く掘り下げていきます。
園遊会の概要と今回の装いの特徴
2024年10月28日午後、赤坂御苑で行われた秋の園遊会には、騎手・武豊氏や人間国宝の漆芸作家・山岸一男氏、全日本ろうあ連盟元理事長・石野富志三郎氏など、各分野で功績を挙げた方々が招待されました。4月に開催された春の園遊会では女性皇族方が和装をお召しになるのが通例でしたが、今回は洋装でのご出席となりました。
皇室担当記者によると、最近の園遊会では「和、和、洋、洋、和、和……」というように、同じ様式の装いを2回ずつ繰り返す慣例があるといいます。例えば、2018年秋と4年半ぶりに開催された2023年春は和装、2023年秋と2024年春は洋装でした。そして、2024年秋と今春は和装でしたので、この慣例に従い、今回は洋装が選ばれたとのことです。色とりどりの華やかな洋装は、秋の赤坂御苑をさらに美しく彩り、来場者の目を楽しませました。
愛子さま、佳子さまの華麗なる洋装
この日の園遊会で最も話題となったのは、愛子さまと佳子さまのお召し物でした。愛子さまは、深みのあるボルドーのセットアップに、小花の飾りが愛らしい同色のお帽子をお召しになっていました。バッグとパンプスも同系色で統一され、ボレロにあしらわれた丸みのある襟やコロンとしたボタンが、愛子さまの持つ柔らかな雰囲気を一層際立たせていました。耳元には一粒パールのイヤリング、胸元にはパールのブローチを添えられ、品格ある装いを完成させていました。
一方、佳子さまは、鮮やかな赤いセットアップとお帽子でご出席。バッグとパンプスには落ち着いたブラウンを選ばれ、全体に洗練された雰囲気を加えていらっしゃいました。お帽子に飾られた大きな花飾りと、ボレロにあしらわれた花を象ったボタンが、佳子さまの華やかなご印象をより引き立てていました。佳子さまも愛子さま同様に一粒パールのイヤリングをお付けになり、首元にはパールのステーションネックレスを合わせ、エレガントな装いを見せられました。
赤坂御苑の丘で隣り合って立たれるお二方や、5組の招待者代表との懇談で隣席されるお姿は、そっくりな色味の装いも相まって、すぐに「双子コーデ」と称賛の声がインターネットやSNS上で相次ぎました。
秋の園遊会で笑顔を見せる愛子さまと佳子さま。ボルドーと鮮やかな赤の洋装で「リンクコーデ」を披露し、皇室の和やかな雰囲気を伝える。
「お召し物被り」への誤解と皇室の慣例
過去にも、2022年11月の秋季雅楽演奏会や2024年11月の宮中茶会での「紅白コーデ」、今年8月の第9回アフリカ開発会議（TICAD）の宮中茶会での淡い緑色の振袖でのご出席など、愛子さまと佳子さまがお揃いのような装いをされる機会は何度か見られます。しかし、今回の園遊会での「お色合わせの連携」に対して、一部からは「身位が上の者と衣装被り、色被りするのは御法度です」「身位が上の敬宮殿下に大変失礼です」といった、まるで意図的に重ねたかのような批判的な意見も上がりました。
しかし、こうした批判は事実に基づかない的外れなものだと、前出の皇室担当記者は指摘します。「従来から皇室の方々が一堂に会される場では、皇后陛下のお召し物と被らないように、女性皇族方が調整されることが慣習とされてきました。そのため、雅子さまとお召し物が被らない限り、愛子さまと佳子さまのお召し物の色味が被ったとしても、何ら問題はないと考えられます」と説明しています。また、「女性の皇室の方々のお召し物に関して、一部では『あらかじめ色味が指定されている』との指摘もあったようですが、そうしたこともないはずです」とも付け加えています。
愛子さまがお召しになったボルドーは、お母さまである雅子さまが皇太子妃時代から好まれていたお色であり、愛子さまにとっても親しみのある色である可能性が高いとのこと。さらに、愛子さまと佳子さまは幼い頃から共に遊ばれるなど、現在も変わらず親密な関係を築いていらっしゃるため、お二方で装いについて相談された可能性も十分に考えられるとされています。これは、お二人の仲の良さを示す微笑ましいエピソードとも言えるでしょう。
「リンクコーデ」がもたらした効果と愛子さまの成長
お二方のひときわ目を引くお召し物は、結果として良い効果をもたらしたと報じられています。皇室担当記者は、「愛子さまと佳子さまは、松山テント前からしょうぶ池テント前へ少しの時間差で移動され、招待者に囲まれる形で交流されていました。人だかりに埋もれて見えにくくなるような状況でも、お二方とも赤い色調のセットアップをお召しになっていたため、周囲の招待者の方々も容易にお二人の姿を確認することができたと思います」と述べ、その実用的なメリットを指摘しています。
今回の園遊会は、愛子さまにとって4度目のご参加となりました。これまでの園遊会では、佳子さまが愛子さまをアシストされるような場面も見られましたが、今回はお二方がそれぞれ独立して招待者と交流されるお姿が印象的でした。愛子さまは佳子さまと同じように、一人ひとりの招待者の話に真剣に耳を傾け、終始落ち着いたご様子で歓談されていました。記者からは、こうした接遇の面でも着実に「ご成長されているものと拝察します」との評価が上がっています。
今後の皇室行事での「リンクコーデ」への期待
秋の園遊会で披露された愛子さまと佳子さまの「リンクコーデ」は、単なる偶然ではなく、お二方の親密な関係と、皇室の慣例を尊重しつつも時代に合わせた装いの楽しみ方を垣間見せるものでした。鮮やかな装いが会場を彩り、人々の目を引きつける一方で、温かい絆と国民への細やかな配慮が感じられる一幕でした。今後も、愛子さまと佳子さまがこのような「リンクコーデ」で公の場にお出ましになる機会は増え、皇室の新たな魅力として注目されていくことでしょう。
