自民党、8月8日に両院議員総会開催へ 党内から日程に不満噴出

自民党は、党内からの強い要求に応じ、両院議員総会を8月8日に開催することを決定しました。党大会に次ぐ意思決定機関として、「参院選の総括と今後の党運営」が主要な議題とされています。しかし、お盆期間中の開催という異例の日程に対し、「出席者を減らすための戦略ではないか」との批判が党内から噴出しています。

自民党両院議員懇談会後、記者団の質問に答える石破茂首相自民党両院議員懇談会後、記者団の質問に答える石破茂首相

開催日程への党内反発の背景

党執行部は、臨時国会が5日に閉会した後、石破茂首相が広島と長崎の原爆関連式典に出席する6日と9日を避け、8日の開催を選びました。しかし、国会閉会後は国会議員にとって、地元での会合や祭りなどを回り、支持固めを行う事実上の「お盆休み」に入ります。この時期に国会開催地と地元を往復することに対し、自民党の若手議員からは「参加人数を少しでも減らしたいだけだ」と強い憤りの声が上がっています。彼らは「閉会日の5日夕に開けば良い」「せめて7日にすべきだ」と主張し、「非常識すぎる」「このためだけに地元と国会を往復するのはつらい」といった不満が相次いでいます。

参院選惨敗後の危機感と衆院選への意識

特に、先の参院選での歴史的惨敗を受け、次期衆院選を強く意識する衆院議員の危機感は顕著です。自民党関係者は、「衆院選がいつ実施されるか不透明な状況で、国会が終わればすぐにでも地元で活動したい」と述べ、お盆期間中の総会開催が地元の活動に支障を来すことへの懸念を表明しています。総会の議題が「参院選の総括と今後の党運営」と曖昧に設定されていることも、党内の不透明感を助長しています。

「反石破」勢力の動きとリコール規定

石破首相に早期退陣を求める「反石破勢力」は、党所属国会議員と都道府県連代表者の過半数が求めれば総裁選を前倒しできる「リコール規定」の活用を視野に入れています。これは党内規に定められた緊急時の手段であり、現在の執行部への不満の表れとも言えます。しかし、リコールを求める署名が集まったとしても、その提出先は総裁選挙管理委員会であるため、党執行部は「総会の議題にはなり得ない」として、こうした動きを牽制しています。

結論

今回の両院議員総会の日程決定は、参院選惨敗後の自民党が抱える内部の不満と危機感を一層浮き彫りにしました。お盆期間という異例のタイミングでの開催は、党内の分断と執行部への不信感を深める可能性があり、今後の党運営、特に次期衆院選に向けた態勢構築に大きな影響を与えるものと見られます。


参考文献