百田尚樹氏・北村晴男氏が臨時国会に初登院:石破氏への「暴言」と橋下氏との論争

去る8月1日、臨時国会が召集され、先の参議院選挙で初当選を果たした新議員たちが、初めての登院日を迎えました。その中でも特に注目を集めたのは、日本保守党から比例代表で立候補し当選した代表の百田尚樹氏(69)と弁護士の北村晴男氏(69)です。両氏は共に、連日報道されていた一連の「炎上騒動」の渦中にありながら、堂々と国会議事堂にその姿を現しました。

「暴言コンビ」としての登場:百田氏の挑発的な発言

国会議事堂前では、多くの記者が詰めかける中、北村氏は記者のリクエストに応じる形で、普段はあまりしないというガッツポーズを披露し、写真撮影に応じました。その場に、別の取材を終えた百田氏が合流すると、開口一番、「暴言コンビです」と、自ら近日のSNSでの騒動を意識した発言で会話に参加しました。さらに百田氏は、「まさか、最初の発言が炎上するのは“私”やと思ってたんですけどね」と述べ、自身の発言が炎上することへの覚悟と、今回の騒動の意外性を滲ませました。この一言は、彼らが公の場においても、これまでのスタンスを変えることなく活動していくことを示唆しているようでした。

日本保守党の百田尚樹代表と北村晴男弁護士が参院選後初の臨時国会に揃って初登院した様子。国会議事堂前で取材に応じる両氏。日本保守党の百田尚樹代表と北村晴男弁護士が参院選後初の臨時国会に揃って初登院した様子。国会議事堂前で取材に応じる両氏。

北村氏の石破茂氏への「奇妙な生き物」発言の経緯

今回の炎上騒動のきっかけは、7月27日に北村氏が自身のX(旧Twitter)アカウントにて投稿した、石破茂首相(68)に関する一連の発言でした。北村氏は石破氏のポストを引用する形で、「醜く奇妙な生き物を国のリーダーに選んだ日本」「どこまでも醜い、奇妙な生き物」などと綴り、23日から28日にかけて合計21回もの「奇妙な生き物」という表現を繰り返しました。この執拗な表現に対し、ネット上では瞬く間に批判が殺到し、「炎上」状態となりました。

橋下徹氏の参戦と百田氏の反論

この北村氏の発言に対し、元大阪市長で弁護士の橋下徹氏(56)もTwitter上で厳しく批判し、論争がさらにヒートアップしました。橋下氏は、「日本保守党の連中は誹謗中傷が酷すぎる」「これまでは単なる一弁護士で好き勝手に言えたが、これからは税金で飯を食っていく公人の国会議員だ。発言の仕方を一から勉強しろ」「莫大な税金で飯を食い、権力を扱うという公人の自覚のないまま、コメンテーター気分が抜けないバカな国会議員が誕生したということ」と痛烈に批判しました。かつてテレビ番組『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)で共演していた両氏の間で繰り広げられた「場外戦」は、多くのメディアや国民の注目を集めました。

これに対し、百田氏も積極的に応戦。「『醜く奇妙な生き物』というのは石破の容姿のことでなく、彼の生き方や政治姿勢のことを言ってる。こんなことは普通の読解力があればすぐに理解できることだが、橋下には無理なんだろうな」と反論し、発言の真意を説明しようと試みました。

揺るがぬ姿勢:発言は「問題なし」

一連の発言をめぐる騒動に関して、現在に至るまで北村氏、百田氏の両氏から公式な撤回や謝罪は行われていません。初当選から間もない、初登院前という時期に起きた今回の騒動は、今後の彼らの国会議員としての活動、特に発言内容に大きな注目が集まることを示唆しています。ある全国紙の政治部記者は、「参議院の6年間という長い任期のなかで、今後どれだけ過激な発言が飛び出すのか、注視していきたい」と語っています。

今回の初登院に際しても、記者から一連の発言が批判を浴びていることについて問われた北村氏は、「いやいや、暴言とも失言とも思ってませんけど」と毅然とした態度で回答。百田氏も同様に、「私もそう思います。あんなもんは当然の言葉なんでね」と述べ、改めて自身らの「炎上」発言について、「問題なし」という見解を貫く姿勢を見せました。


参考文献: