今田美桜が主演を務める連続テレビ小説「あんぱん」(NHK総合ほか)に出演する浅田美代子から、自身の役柄である主人公のぶの祖母“朝田くら”についてコメントが到着した。激動の時代を生きた漫画家・やなせたかしと小松暢夫妻をモデルにした本作で、浅田が演じる“くら”は、のぶと共に人生の荒波を乗り越え、家族に深い愛情を注ぐ姿が描かれている。
連続テレビ小説「あんぱん」は、「アンパンマン」を生み出したやなせたかしと小松暢夫妻の人生を追うオリジナル作品だ。戦前、戦中、戦後という激動の時代を背景に、やなせの妻である“ハチキンおのぶ”こと暢が彼を牽引し、共に「逆転しない正義」を体現する「アンパンマン」にたどり着くまでの道のりが描かれる。脚本は「花子とアン」「西郷どん」を手掛けた中園ミホが担当している。
浅田美代子が語る「朝田くら」と温かい朝田家
今回、”朝田くら”を演じた浅田美代子から、役柄や撮影現場の様子についてのコメントが届いた。くらばぁとして親しまれる朝田くらは、祖父の釜次(吉田鋼太郎)と共に「朝田石材店」を支え、おっとりしていて、ややとぼけた性格が特徴だという。
浅田は、くら役について「かわいらしい人ですよね。そんなに物事を真剣に考えていないところが自分と似ているなと思います(笑)」と親近感を語った。朝田家の雰囲気については「いつも楽しく和やかな雰囲気で、孫たちもみんなかわいくて。自然と家族の空気感を作り上げることができました」と語り、家族の仲の良さが画面にも表れていることを強調した。特に、羽多子(江口のりこ)とのツッコミ合いのシーンは面白く、江口さんらしい間合いがとても楽しかったと振り返っている。
夫・釜次との絆、吉田鋼太郎との共演エピソード
第16週で夫・釜次が亡くなる展開について、浅田は釜次と演じた吉田鋼太郎への思いを明かした。釜次は怒りっぽい部分がありながらも、その中に温かさを感じさせる人物だったといい、「どんなことを言っていても、心には愛があると分かるので。鋼太郎さんのそういったお芝居は、すばらしいなと思いながら見ていました」と吉田鋼太郎の演技を絶賛した。
孫の結婚を見届け、安堵の表情を見せる連続テレビ小説『あんぱん』の浅田美代子演じる朝田くら
吉田鋼太郎とは本作で初めて共演したという浅田だが、最初は少し怖い印象があったものの、すぐに打ち解け仲良くなったという。「現場で、私が『おはよう、ダーリン』と言うと、『おはよう、ハニー』と返してくれて(笑)。いつもそんなやりとりをしていたので、夫婦としてのお芝居もすごくやりやすかったです」と、和やかな撮影エピソードを披露した。釜次が亡くなるシーンはやはり寂しかったが、撮影終了後、吉田が元気に帰っていったと冗談めかして語り、「私もすぐ(釜じいのもとへ)行くからね~」と笑いながら別れを告げたという。
孫・のぶへの思いと今田美桜の魅力
孫であるのぶへの思いについて、浅田は「あの時代に、のぶは自分に合った道をちゃんと選んでいて、立派だなぁと思います」と、のぶの自立した生き方を称賛した。くらとしては、「だれが何と言おうと自分の思った方へ突っ走っていく“ハチキンおのぶ”だから、自分の信じた道を行きなさいという気持ちでした」と、常にのぶを応援する祖母の心情を語った。
のぶを演じる今田美桜については、「まさに太陽のような人です。何もしゃべっていなくても、入ってきた瞬間に場がパーッと明るくなる」と、その明るい人柄を絶賛した。今田はいつも自然体で元気で可愛らしく、楽屋ではなく前室にいることが多いため、共演者との交流も多く、皆と仲良くなっている印象だと語った。浅田は「いつまでもそのまま、太陽のようにみんなを照らしてほしいなと思います」と、温かいエールを送っている。
穏やかな最期を迎えた「くら」の人生
第18週で、のぶと嵩(北村匠海)が夫婦として歩み出す姿を見届けた後、くらが釜次のもとへと旅立つ展開が描かれた。浅田は、のぶと嵩の家に皆が集まるシーンを「楽しかったですね。嵩が男一人でタジタジになっているのがおもしろくて(笑)」と振り返った。嵩はのぶへなかなか思いを伝えられずにいたが、二人が結ばれて本当に良かったと感じているという。
第18週で生涯を終えたくらについて、浅田は「すごく楽しい人生だったんじゃないでしょうか」と語った。息子に先立たれたものの、3人の孫を残し、しっかり者のお嫁さんと優しい夫に恵まれた人生を振り返り、「本当にいい家族とともに人生を歩めて、くらは幸せだなぁと思いますね」と、自身の役柄が歩んだ幸福な人生を締めくくった。
浅田美代子のコメントからは、『あんぱん』で描かれる朝田家の温かい家族の絆と、登場人物たちの人生の奥深さが伝わってくる。特に、祖母・くらが家族を見守り、愛情を注ぎながら穏やかに生涯を終える姿は、多くの視聴者の心に響くことだろう。これからも『あんぱん』が描く物語から目が離せない。