大阪市立中3生自殺、両親が語る「学校への不信感とSOSの叫び」

今年6月、大阪市立中学校の3年生が自ら命を絶った問題は、教育委員会が「重大事態」と認定し、現在第三者委員会による調査が進められています。この痛ましい事件について、自殺した男子生徒のご両親がFNNプライムオンラインの取材に応じ、学校側の対応に対する深い不信感を語りました。

「優しくて可愛い子」を襲った悲劇と両親の苦悩

男子生徒の父親は、「ハグしたら『すごく安心する』と言ってそのまま寝る。それぐらい優しくて可愛い子だった」と、愛する息子への思いを語り、突然の別れに「そんな子が日曜日に亡くなるのは、すごくつらい」と胸の内を明かしました。母親もまた、「すごく宝物だったので、帰って来ないって信じれなくて。まだ認めたくない」と、深い悲しみを滲ませます。ことし6月、家族と夕食の準備をした後、部屋で自殺しているところを両親が発見しました。

自殺した中学3年生の男子生徒の両親が学校の対応について語る様子自殺した中学3年生の男子生徒の両親が学校の対応について語る様子

担任教員からの暴言・体罰疑惑と学校への相談

男子生徒は軽度の発達障害があったものの、通常学級に通っていました。しかし、中学1年生の頃から「担任の先生から暴言をはかれたり、胸ぐらをつかまれたりする」とご両親に相談していたといいます。母親は、先生が「うちの子の胸ぐらをつかんで、『制止した』みたいに言ってるんですけど、他の生徒からは防火扉にドンとやってた」と、不適切な制止行為があった可能性を指摘します。また、男子生徒は「パニック症」を抱えており、それを生徒に「ちゃかしてしまう」ことが嫌だったとも話していました。母親は、スクールカウンセラーなどに何度も相談を重ねましたが、「改善は見られなかった」と語り、学校の対応に不信感を募らせています。

処分された「生き地獄からの解放」を願うSOS短冊

男子生徒は自殺する直前、学校の短冊に心の叫びを記していました。「早く生き地獄から解放されますように」。この短冊はすでに処分されており、両親は男子生徒が亡くなった後の調査を通じて、その存在を知ることになります。母親は「短冊に『死にたい』って書いたそうで。でも、それは先生に『だめ』と止められて、書き直したのが、『早く生き地獄から解放されたい』。それが何で遺族になる前に教えてもらわれへんかったかな」と、悔しさをあらわにしました。父親も「それは唯一の本当に最後のメッセージで、後から聞いたのがすごく悔しい」と、沈痛な面持ちで語り、母親はそれが「あの子なりの最後のSOSだった」と訴えています。

この悲劇は、学校における生徒のSOSサインの見落とし、教員の不適切な言動、そしてそれらに対する学校と教育委員会の対応の不備という、複数の問題提起を含んでいます。第三者委員会による徹底した調査と、再発防止に向けた具体的な対策が強く求められます。


参考文献:

  • FNNプライムオンライン: 「大阪市立中3生自殺、両親が語る『学校への不信感』と『SOSの叫び』」(ヤフーニュースより)