値上げが続くコメ価格に続き、コーヒー豆の世界的な高騰が家計を圧迫。日常の「必要経費」と捉えられがちなコーヒーも、今や消費場所を賢く選ぶ時代です。本記事では、国内カフェチェーンの「4強」に焦点を当て、各社の戦略と特徴を深掘りし、最適な一杯を見つけるヒントを提供します。
国内カフェ業界「4強」の勢力図と変遷
日本におけるカフェチェーン上位4社は、スターバックスコーヒー（約2000店）、ドトールコーヒーショップ（約1100店）、コメダ珈琲店（約1000店）、タリーズコーヒー（約800店）です。これら全てが47都道府県への出店実績を持ち、他チェーンを大きく引き離します。開業年ではコメダ（1960年代）とドトール（1980年代）が先行しますが、外資系スタバとタリーズは1990年代に日本上陸。後発ながらスタバは圧倒的な店舗数で市場を席巻。長らくローカル色が強かったコメダも過去10年で店舗数を倍増させ、業界の勢力図を大きく塗り替えています。
スターバックスの「高単価×高回転率」戦略と課題
スターバックスは1996年銀座に1号店開業。当時男性喫煙率6割超の喫茶店文化の中、スタバは禁煙方針で女性客の支持を得ました（一部テラス席を除き禁煙）。お洒落で居心地良い空間、駅ナカ・駅チカ一等地への出店で急速に認知度を高め、現在約2000店舗を展開。高賃料は高単価フラペチーノと高回転率で回収され、高収益。対照的に低価格のドトールは立地で劣ります。
新作フラペチーノは話題を呼び商業的成功を収める一方、近年は課題も。席間隔の狭さや座り心地の悪い椅子など、「サードプレイス」を掲げつつ回転率追求が顕著です。全体は好調ですが、日本生産性本部顧客満足度調査ではコメダやドトールを下回る年もあり、「スタバ離れ」の動きも見られます。
都心の一等地に展開されるスターバックスミーナ天神店の外観。日本のカフェチェーン市場におけるスターバックスのビジネス戦略と好立地戦略を象徴する風景。
参考資料：
