「石破おろし」激化も続投へ意欲?石破首相、政権運営の3つの鍵

フジテレビ解説委員の松山俊行氏は3日、同局系「日曜報道 THE PRIME」で、参院選大敗後の石破茂首相への「石破おろし」が拡大する中、首相自身の続投意思が強まっていると指摘した。8月中の退陣表明の可能性は消えていないが、この強い続投意向の背景には複数の要因があると分析される。

フジテレビ「日曜報道 THE PRIME」で解説を行う松山俊行氏フジテレビ「日曜報道 THE PRIME」で解説を行う松山俊行氏

続投意欲を強める3つの背景

石破首相が続投への意欲を強める背景として、以下の3点が挙げられる。

1. 参議院過半数確保への現実的道筋

現在、与党の参議院過半数議席は3議席不足。松山氏は、この3議席確保策の一つとして、参院選比例代表で初当選した「チームみらい」党首の安野貴博参院議員を挙げた。安野氏はデジタル政策で与党協力に前向き姿勢を示しており、その動向が鍵と見られる。また、保守系無所属議員や非改選の与党系無所属議員を取り込むことで、過半数達成は不可能ではないとの見方も浮上。

2. 国民世論と自民党支持層の明確な動向

各社世論調査では、石破首相の「辞任すべき」「辞任しなくていい」意見が拮抗。しかし、自民党支持層に限れば、FNN調査では「辞任すべき」22.9%に対し「辞任しなくていい」が73.3%と圧倒的多数だ。この与党支持基盤からの強い信任は、首相が続投を固める大きな要因となっている。

3. 旧安倍派からの退陣要求の真意

有権者の自民党不信の発端となった派閥裏金事件を起こした旧安倍派の実力者たちが、石破首相の退陣を求めている点も指摘される。松山氏は、首相は過去3回の選挙で3連敗し批判を受けるも、根本は裏金問題にあると解説。問題を起こした旧安倍派議員が復権を目指し退陣を要求することに対し、石破首相は「忸怩たる思い」を抱き、それが続投決意を強めていると分析される。

参院選大敗後の「石破おろし」活発化にも関わらず、石破首相の続投意思は強い。与党の参議院過半数確保の可能性、自民党支持層の厚い支持、そして旧安倍派からの退陣要求という複雑な要因が、首相の決断に影響を与えている。今後の政局は、これらの要素が石破政権の行方をどう左右するか注目される。