国民民主党の勢いに急ブレーキがかかっています。最新の世論調査では、政党支持率が軒並み大幅に下落。毎日新聞の調査では10%から5%へ半減し、読売新聞では9%が5%に、日経新聞でも9%から6%へと厳しい結果が示されています。この急落の背景には、党代表である玉木雄一郎氏の優柔不断な政治判断が指摘されており、今後の党運営に大きな影を落としています。
国民民主党、支持率急落の波紋
この支持率急落の「理由は明白」と政治部野党キャップは語ります。高市早苗首相は自民党総裁選勝利後、新たな連立相手として国民民主党を視野に入れていました。しかし、玉木代表は公明党の連立離脱による過半数割れを懸念し、連立参加に難色を示し続けました。その間に、日本維新の会が先に動き、連立入りを果たしてしまった形です。
玉木雄一郎国民民主党代表の肖像さらに、玉木氏は野党第一党である立憲民主党から「首相指名選挙で玉木氏を支持しても良い」と連携を呼びかけられながらも、「政策一致」を優先する姿勢を崩さず、煮え切らない態度に終始しました。一方で、連立を目指す維新に対しては「自民と組むなら最初から言ってほしかった」と不満を露わにし、立憲民主党の枝野幸男元代表が安保法制に「違憲の部分はない」と発言した際には「なぜ2週間前に言ってくれなかったのか」と恨み節をこぼすなど、各方面への不満を表明しています。
玉木代表の決断力と政治的立ち位置
長年玉木氏を知る政界関係者は、「以前から決断力の欠如が指摘されていましたが、今回の件はいかにも彼らしい」と解説します。東京大学卒で頭脳明晰であり、周囲の意見にも耳を傾ける姿勢は評価されるものの、その聞きすぎが迷いを生み、決断を遅らせる要因になっているとの指摘です。このような優柔不断さが、連立参加という重要な局面で党に大きな機会損失をもたらしたと見られています。
「起死回生」三策と厳しい見方
支持率回復に向けて、玉木代表は現在三つの「起死回生策」を練っているとされますが、そのいずれも「不発に終わりそう」という見方が政界では多数を占めています。
一つ目の策は、今月中に正式決定されるとみられる経済対策です。国民民主党関係者によると、「いわゆる『年収の壁』の178万円までの引き上げ」や「教育国債を原資とする教育分野の予算倍増」など、「政治の変化を実感できる経済対策」を掲げているといいます。10年後には名目GDP600兆円を1000兆円に引き上げるという目標も盛り込まれています。
二つ目は、既存の道府県とは別に「特別自治市」を設置する大都市制度構想です。これは、東京都以外の道府県が担う行政サービスを特別自治市に移管するという内容で、災害対策として大阪府に首都機能を分散させる「副首都構想」を連立条件とした維新を意識した対案と見られています。しかし、「今から高市首相が維新案を捨てて国民民主党の案に乗り換えるとは思えない」と関係者は語り、これらの策が実際に党勢回復に繋がるかについては懐疑的な声が多いのが現状です。
国民民主党は、玉木代表の優柔不断なリーダーシップと連立協議での機会逸失により、厳しい状況に直面しています。今後の玉木代表がどのような決断を下し、提示された経済対策や大都市制度構想が国民にどれだけ響くかが、党の浮沈を左右する重要な鍵となるでしょう。





