モデルの長谷川ミラがテレビ朝日系「ビートたけしのTVタックル」に出演し、現在の日本の外国人政策を巡る議論に自身の複雑な思いを語りました。先の参議院選挙では、「日本人ファースト」を掲げた参政党が躍進し、外国人によるトラブルや犯罪といった社会問題が浮上する中で、「外国人政策」は主要な争点の一つとなりました。このような背景のもと、長谷川氏の見解は、この問題の多層性を浮き彫りにしています。
参院選の争点としての外国人政策と参政党の躍進
進行役の阿川佐和子氏から、「若い世代のネットの動きを見ると、日本人を優遇し、外国人を排斥しようとする傾向は強いのか」と問われた長谷川氏は、自身の周囲ではそのような動きは少ないと前置きしました。しかし、彼女自身は日本国籍を持ちながらも、南アフリカ国籍の父を持つ「ハーフ」であることから、自身の見た目が差別や排斥の対象になるのではないかという懸念を複雑な表情で示しました。現在でも東京でインバウンド客と間違えられることがあると語り、中国籍や韓国籍など様々な背景を持つ外国人が「ひとくくり」にされてしまう現状に、「シンプルに悲しかった」と心境を吐露しました。
長谷川ミラが抱く「ハーフ」としての懸念
長谷川氏の個人的な経験は、日本社会における多文化共生の課題を浮き彫りにします。彼女は、自身が日本国籍でありながらも、見た目から「ハーフ」と認識されることで、将来的に外国人差別の対象となり得るという不安を抱いています。この懸念は、日本に住む様々なルーツを持つ人々が直面し得る共通の課題を示唆しています。インバウンド観光客と混同される経験も、彼女が感じる「ひとくくり」にされることへの違和感を強化しています。
父が語る「外国人」としての葛藤と日本社会の変化
長谷川氏は、南アフリカ出身の父の見解も紹介しました。父は「外国人の選挙権は不要」「土地の購入制限にも賛成」との考えを示した上で、35年前に来日した当時の自身の苦労を振り返りました。当時は「ルールに合わせなければ宇宙人扱いをされた」と述べ、必死で日本社会のルールに適応してきたと語ります。しかし、現在の日本でルールを守らないと見受けられる外国人がいることに対し、「もどかしい」と感じていると説明しました。自身の努力とは異なる現状に、彼らがひとくくりにされてしまうことへの憤りもにじませました。長谷川氏は、自身の父だけでなく、「外国人の中にも様々な葛藤がある」と指摘し、問題の根深さを強調しました。
「ビートたけしのTVタックル」に出演し、外国人政策への見解を述べた長谷川ミラ
今回の「TVタックル」での長谷川ミラの告白は、単なる外国人政策の議論に留まらず、日本社会における「日本人」とは何か、そして多様な背景を持つ人々が共生していく上での課題と葛藤を浮き彫りにしました。自身の経験と家族の視点を通じて語られた言葉は、この複雑な社会問題を深く考えるきっかけとなるでしょう。