玉木雄一郎氏、連立政権協議での「判断ミス」が招いた波紋:失われた”次期首相”の可能性

2024年10月21日、臨時国会での首相指名選挙において、自民党の高市早苗総裁(64)が第104代首相に指名されました。これに先立つ記者会見で、国民民主党の玉木雄一郎代表(56)は「閉塞感あふれる日本に風穴を開ける活躍を期待したい」と高市氏への期待を表明。しかし、その前日20日の深夜にX(旧Twitter)で投稿された、高市氏と日本維新の会・吉村洋文代表(50)による連立政権樹立の合意書に対する「苦言」が、各方面で波紋を呼んでいます。かつて「次期首相」の可能性も囁かれた玉木氏の今回の対応は、彼の政治的判断における一連の「ミス」と重なり、そのリーダーシップが改めて問われる事態となっています。

第104代首相に指名され笑顔を見せる高市早苗氏第104代首相に指名され笑顔を見せる高市早苗氏

高市新総理誕生と玉木氏の「苦言」:維新との政策合意への懸念

玉木代表はXの投稿で、高市氏と維新が署名した連立合意書の経済財政関連施策に対し、いくつかの懸念点を指摘しました。「現役世代の手取りを増やす政策が十分に含まれていません」と明言し、国民民主党として今後も「現役世代の手取りアップや経済成長戦略については、野党の立場から、具体的な政策提言や、政策実現に向けたプレッシャーをかけていくことが必要」と表明しました。

さらに、維新が自民党との政策合意における「絶対条件」として掲げていた議員定数の削減についても、玉木氏は慎重な姿勢を見せました。彼は10月17日放送の『プライムニュース』(BSフジ)で、「自民党と維新が臨時国会でやるのであれば、速やかに法案を冒頭、処理しよう」と呼びかけ、法案が提出された場合には「賛成する」と明言していました。

しかし、合意書に「1割を目標に衆院議員定数を削減するため、25年臨時国会において議員立法案を提出し、成立を目指す」と記載されていたことを受け、玉木氏は投稿で「一部報道されていたような『臨時国会で比例50削減』という内容ではなくなっています。時期も、臨時国会において法案を提出し成立を『目指す』にトーンダウンしています」と指摘。

続けて、「この記述だと、仮に臨時国会中に法案が成立しなくても合意違反にはならないので、それを維新が容認するのかどうか気になるところです」「まずは、両党が、どのような内容をいつ頃まとめるのか見定めたいと思います」と、以前の賛意から一転して疑念の目を向けたのです。

賛同から一転、維新と世論からの批判

玉木氏のこうした慎重な所感は、新政権への「難癖」と捉える人も少なくありませんでした。Xでは、「これは維新との連立合意文書であって、玉木代表が指摘される政策項目の欠如は、そもそも国民民主と連立することができれば、普通に盛り込んでもらえたのでは?」「野党という立場で外からそうやって言うだけって楽なもんですね」といった批判の声が続出しました。

日本維新の会からは、埼玉県衆議院14選挙区支部長の加来たけよし氏(44)が「ですから、連合さんときちんとお話して、ぜひ連立に加わっていただければ、ご指摘の点も進みますし、より安定した保守政権もできると思います」と反応。また、維新の元代表である松井一郎氏(61)も、玉木氏が議員定数削減に慎重姿勢に転じたことを報じる毎日新聞の記事を引用し、「あれ?玉木さん、臨時国会冒頭で定数削減可決して国民生活に直結課題改革やるんじゃないの」と皮肉るなど、与党のみならず野党からも厳しい声が上がりました。

「次期首相」の座を逃した玉木氏:連立協議の経緯と相次ぐ「失態」

こうした批判の声が上がるのも無理はありません。国民民主党は、昨年10月の衆院選で改選前の4倍となる28議席を獲得し、国会の「キャスティングボード」を握る存在となっていました。玉木氏自身も「次期首相」の可能性が囁かれる存在でしたが、連立をめぐる与野党間の協議ではその慎重さが裏目に出てしまいました。

全国紙政治部記者は、玉木氏の対応について次のように分析します。「立憲民主党が主導となって野党3党の統一候補に玉木氏を推薦しましたが、立憲と国民が政策面で歩み寄れず膠着状態が続いていました。高市氏も玉木氏に秋波を送っていましたが、玉木氏が二の足を踏んでいるうちに維新が先を越す形に。玉木氏は維新に“二枚舌”と恨み節を漏らしていましたが、支持者からはさほど共感を得られませんでした。」

結果的に、自民党との連立は成立せず、立憲、維新との協議も破談となりました。玉木氏はXで「総理になる覚悟がある」とアピールしていたものの、企業・団体献金の規制強化などの政策が一致する公明党との連携強化に舵を切ることに。これにより、自民党との連立や野党3党の統一による政権交代の可能性は幻となり、「期待を裏切られた」と感じる支持者も少なくありません。

玉木氏には、今回の件以外にも過去の「判断ミス」が指摘されています。国民民主党が躍進した直後、グラビアアイドルとの不倫疑惑が『Smart FLASH』で報じられ、玉木氏は3カ月の役職停止となるなど、党の活動に水を差しました。また、今年7月の参院選では、擁立を予定していた山尾志桜里元衆院議員(50)の公認取り消しも世間を騒がせました。玉木氏が国政復帰を要請したにもかかわらず、山尾氏の出馬会見に批判が殺到するやいなや公認取り消しを発表した経緯は、過去に複数の疑惑が報じられていた山尾氏の擁立が反発を招くことを予測できたはずだと指摘されています。

Xでは、これまでの「失態」と今回の連立協議での対応を重ねて、「玉木さんは頭が良いはずなのですが、頭が良すぎる故に、様々な情報に惑わされ、無駄に考え過ぎて、重要な2択を間違う、みたいな感じ。決断出来ない」「もう玉木さんはブレブレで今回で完全に見放された。不倫、山尾、玉木総理の三振!」「今回の動きで、玉木雄一郎氏は大将の器では無いことがはっきりしましたね」といった厳しい声も上がっています。

結論

今回の連立政権をめぐる一連の動きは、国民民主党の玉木雄一郎代表が持つ政治的影響力の大きさを示す一方で、その「慎重すぎる」判断が、重要な局面で機会を逸する結果に繋がる可能性を浮き彫りにしました。現役世代の手取りを増やす政策など、国民が望む政策実現への道筋をつけるためにも、政策本位の姿勢は重要ですが、政治家としてより戦略的な視点と、迅速かつ的確な「判断力」が求められているのかもしれません。玉木氏が今後、党の代表として「判断ミス」を回避し、リーダーシップを発揮できるか、その手腕に注目が集まります。

参考資料

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