日本航空(JAL)とアプラスなどが今年8月に共同で発表した新たなクレジットカード「JAL Luxury Card」が、その異例な年会費の高さからSNS上で大きな注目を集めています。特に、最高で59万9500円(税込)という高額設定が議論の的となっており、「誰が持つのか」「どう考えても高すぎる」といった驚きや疑問の声が相次いでいます。高級カードの代名詞であるアメリカン・エキスプレス(アメックス)のプラチナカードが年会費16万5000円、さらに完全招待制の最上位カードとされるセンチュリオンが年会費55万円(非公表)であることを踏まえると、「JAL Luxury Card」の年会費は突出しています。
JAL Luxury Card(年会費24万2000円)と、完全招待制のJAL Luxury Card Limited(年会費59万9500円)の比較画像。高額な年会費が特徴のJAL新高級カード。
業界関係者も驚いた異例の高額設定
この「JAL Luxury Card」の発表は、カード業界の関係者にとっても驚きをもって受け止められました。ある大手クレジットカード会社の幹部は、「まさかJALがこれほどの富裕層向けカードを出すとは想像していなかった」と語っています。その背景には、主に二つの理由があります。
一つ目の理由は、JALが「最上位のJALカード」と位置づけた「JAL・JCBカード プラチナ Pro」を2025年4月にリリースしたばかりであったことです。このカードは年会費7万7000円で、JALの空港ラウンジが年1回利用可能、年1回の搭乗と年間500万円のカード利用で8万マイルを獲得できる点が大きな魅力とされていました。「JAL Luxury Card」は株式会社ジャルカードが発行する通常のJALカードとは異なり、JAL本体とアプラスによる提携カードという立ち位置です。しかし、一部のJALカード特典は対象外となるものの、その内容から実質的な上位互換と見られており、消費者からは「何が通常のJALカードと違うのか」判別がつきにくい状況を生み、共同発行パートナーであるJCBにとっては「梯子を外された」形となりました。
JAL Luxury Cardの豪華な特典内容を示す図。年会費約60万円の価値を問われるJALの最上位カードのベネフィット一覧。
二つ目の理由は、JALカードが近年、ビザブランドとの連携を強化していると見られていたことです。JALカードでは、ビザ、マスターカード、アメックス、JCBといった主要な国際ブランドを選択できますが、特にビザブランド向けの特典やキャンペーンを重点的に展開し、他ブランドとの差別化を図る動きが顕著でした。このような戦略的な方針の中で、高額な「JAL Luxury Card」がアプラスとの提携カードとして登場したことは、業界内で大きな注目と憶測を呼んでいます。
まとめ
JALが発表した「JAL Luxury Card」の年会費の高さは、SNSユーザーのみならず、クレジットカード業界全体に大きな衝撃を与えました。直近の「JAL・JCBカード プラチナ Pro」のリリースや、ビザブランドとの連携強化といったJALカードのこれまでの戦略を考えると、今回の「JAL Luxury Card」の登場は、その戦略的な意図や今後の展開について様々な憶測を呼んでいます。
参考文献: