中居正広氏、「性暴力」認定撤回への執念と深まる孤立:芸能界引退から1年、復帰への道は

元SMAPの中居正広氏(53)が芸能界を引退して間もなく1年が経とうとしている。昨年6月に発生した元フジテレビ女性アナウンサーとのトラブルに端を発する「性暴力」認定は、彼を公の舞台から遠ざけた。熱心なファンは今も彼の復帰を願う一方で、中居氏が第三者委員会の調査報告書に対し、代理人弁護士を通じて反論を繰り返す姿勢は、かえって世間の不信感を募らせ、彼を孤立させている現状が浮き彫りとなっている。

第三者委員会による「性暴力」認定と中居氏の反論

昨年1月に芸能界引退を発表した中居正広氏に対し、今年3月に公表されたフジテレビと親会社が設置した第三者委員会の調査報告書は、彼が女性アナウンサーAさんに「業務の延長線上における性暴力」を働いたと認定した。この詳細な報告書は、トラブルに至る経緯やその後の状況を明らかにし、特にAさんを誘った「手口」に批判が集中した。中居氏側は当初沈黙を守っていたが、今年5月には代理人弁護士を通じて同委員会に反論声明を提出。6時間にわたるヒアリング内容が十分に反映されていないこと、また「性暴力」認定そのものに対し、「日本語から一般的に想起される暴力的または強制的な性的行為の実態は確認されませんでした」と主張し、調査報告書の根拠となる証拠やヒアリング記録の開示を求めた。

しかし、同委員会は「事実認定は適切だった」として証拠開示を拒否。中居氏側は再度の抗議を行ったが、同委員会は被害者への二次被害の危険性を理由に協議を拒絶した。7月以降も代理人弁護士を通じて抗議は続き、8月には「週刊文春」がトラブルの詳細を報じたが、中居氏側は即座に反論声明を出した。しかし、これが彼の反撃の最後の動きとなっている。

訴訟リスクと世間の不信感

中居正広氏が芸能界を引退しながらも「性暴力認定」の撤回に固執してきた背景には、「これまで自身を支えてくれた関係者や応援してくれていたファンに対して『顔向けできない』という気持ちがあった」と芸能関係者は語る。特にSMAP時代からの恩義ある人々には、報告書公表前から「性暴力にあたるような行為はなかった」と主張していたという。しかし、第三者委員会に対し頑なな反論を続ける姿勢は、結果的に裏目に出てしまったようだ。

騒動を受け、フジテレビは8月下旬、元社長らに対し50億円の損害賠償を求める訴訟を提起し、中居氏への訴訟の可能性も否定しなかった。中居氏側の反論がトーンダウンしたのは、このような訴訟リスクを懸念した可能性も指摘されている。しかし、中居氏本人の口から説明がなされなかったことは、結果的に世間の不信感を募らせる結果となった。関係者によると、中居氏は記者会見を「絶対しない」と周囲に語っていたというが、公の場で自身の言葉で説明していれば、世間に与える印象は大きく異なったかもしれない。代理人弁護士を通じた反論は周囲の困惑を招き、以前親交のあった仕事仲間や共演者の中には、中居氏との距離を置く者も増えたと報じられている。

中居正広氏の近影中居正広氏の近影

芸能界引退後の「引きこもり生活」と復帰への模索

中居氏の「引きこもり生活」は、間もなく1年を迎えようとしている。第三者委員会に徹底抗戦の構えを見せていた時期までは、地元・湘南で気の置けない仲間たちと飲み会を開いていたとされる。今年9月に報じられた知人の証言によれば、飲み会のメンバーは信頼できるごく少数に厳選され、居酒屋などの“外食”だったという。当初、中居氏はかなりやつれた様子だったが、徐々に気持ちを切り替えたのか、夏ごろには「復帰計画」も囁かれ始めていた。

中居氏は今年8月の誕生日にファンクラブを完全に閉鎖し、ファンとの交流の場を失った。しかし、彼の復帰を熱望するファンは少なくない。中居氏自身も、自分を信じて待ち続けるファンの期待に応えようと、YouTubeなどを通じた動画配信での復帰や、福祉活動を通じた社会貢献を検討していると報じられていた。しかし、年末が近づいても、具体的な動きは一向に見られないのが現状である。8月下旬には、都内の自宅マンションから車を運転する中居氏の姿が目撃され、騒動直後はやつれていた顔つきも、以前よりふっくらとした印象だったとされている。

ファンの期待と世間の厳しい視線

今年7月31日には、署名サイト「Change.org」で「不透明な第三者委員会報告書の利用方法とその価値を問う――中居正広さんに関する正しい報道のあり方と報道被害について」と題された署名活動が開始された。9月23日までに目標の3000人を突破し、中居氏にとっては大きな援護射撃となった。しかし、その後は目立った伸びが見られず、11月23日現在で署名件数は約5300人と停滞気味である。

中居氏の復帰は、一部の熱心なファンには受け入れられるだろうが、彼自身からの納得のいく説明がない限り、世間の大多数からは厳しい視線が向けられ続けるだろう。中居氏の再始動がなかなか聞こえてこないのも、世間の反応を慎重に見極めているからかもしれない。引退発表時、「ヅラの皆さん 一度でも、会いたかった 会えなかった 会わなきゃだめだった」とファンへの後悔の念を記していた中居氏。いつか彼が公の場で自身の言葉で語り、ファンと再会を果たせる日はやってくるのだろうか、その行方が注目される。