【ワシントン=塩原永久】トランプ米政権は7日午前0時1分(日本時間7日午後1時1分)、「相互関税」と呼ぶ関税措置を発動する。日本や韓国などからの輸入品に15%を適用し、現行税率の10%から引き上げる。米政権はロシア産原油を購入するインドへの関税を25%上乗せすることも決めたが、相手国からの反発も強まっている。
米政権は4月に発表した相互関税に関し、各国・地域に対する新たな税率を10~41%の間で設定し、7日から実施。米国が大きな貿易赤字を抱える日本や韓国、欧州連合(EU)といった主要国・地域が15%となった。ベトナムやインドネシアといった東南アジアの国々は、おおむね20%程度とした。台湾も20%となった。
39%が設定されたスイスのケラーズッター大統領は、米首都ワシントンを訪れ高率の関税回避を目指したが、ロイター通信によると合意できず、6日に首都を離れた。
日本は7月下旬、米国との関税協議で、相互関税を15%とした上で、25%が課されていた自動車と部品への税率も15%に下げることで合意した。
訪米した赤沢亮正経済再生担当相は6日、ワシントンでラトニック米商務長官と約90分、会談した。日本政府によると、自動車関税の早期引き下げに向けた対応を米側に求めた。相互関税に関する合意内容についても、ただちに実施を求めたと説明している。
一方、トランプ米大統領は6日、インドに25%の追加関税を課す大統領令に署名した。ロシアから原油の購入を続けていることに対する制裁として、8月下旬に発動する。既存の関税と合わせ50%が課される。
インド政府は強く反発している。
また、計50%が課されたブラジルのルラ大統領はロイターに対し、トランプ氏との直接対話は「屈辱」だとして、対立解消に向けた米国側との話し合いを拒む構えを示した。