藤島ジュリー景子氏の『ラストインタビュー』:嵐の「最終活動」とジャニーズの変革

故・ジャニー喜多川氏の姪であり、故・メリー喜多川氏の娘である旧ジャニーズ事務所社長、藤島ジュリー景子氏の著書『ラストインタビュー─藤島ジュリー景子との47時間─』(早見和真氏著、新潮社刊)が2025年7月18日に発売され、大きな注目を集めています。この本が関心を集めるのは、ジュリー氏が旧ジャニーズ創業家の一員であることはもちろん、その刊行タイミングにも理由があります。彼女が手塩にかけて育てた国民的アイドルグループ「嵐」が2026年春に活動を終了すると発表したのが2025年5月、そして彼女が若手時代から担当していた「TOKIO」が国分太一さんのコンプライアンス違反をきっかけに2025年6月に電撃解散しました。本書の取材は2024年6月から12月にかけて行われましたが、彼女が関わった人気グループの活動休止や解散が相次いだことで、世間の関心が高まる中での刊行となりました。

旧ジャニーズ事務所社長時代の藤島ジュリー景子氏旧ジャニーズ事務所社長時代の藤島ジュリー景子氏

嵐の活動終止符と『ラストインタビュー』が明かす背景

大野智さん、櫻井翔さん、相葉雅紀さん、二宮和也さん、松本潤さんの5人組アイドルグループ「嵐」の活動終了発表に至るまでの経緯は複雑です。リーダーの大野さんが最初にメンバーへグループ脱退の意思を相談したのは2017年6月とされており、その約1年半後の2019年1月には、2020年末をもってグループが無期限の活動休止期間に入ると公式に発表されました。宣言通り、2021年からは活動休止期間に入っていましたが、2025年5月、実に4年半ぶりにメンバー5人全員が揃った状態で動画を公開。この動画内で、2026年春にコンサートツアーを行い、そのツアーをもって嵐としてのグループ活動を終え、同年5月をもってファンクラブも終了することが発表されました。

2019年活動休止会見で明かされたメンバーの葛藤

2019年1月に行われた嵐の活動休止会見は、約1時間20分にも及ぶ異例のものでした。この会見の序盤では、「活動を終えたい」、つまり「嵐を脱退したい」という大野さんの率直な意思を聞いたときのメンバー4人の心境が、それぞれ詳しく語られました。『ラストインタビュー』の中では、ジュリー氏の視点からこの会見の裏側や、嵐メンバーが大野さんの決断にどう向き合ったかが綴られています。国民的アイドルグループとして長年第一線を走り続けてきた彼らが、個々の思いやグループの未来について深く議論を重ねた結果としての「活動休止」であり、最終的な「活動終了」の道を選んだことが示唆されています。

『ラストインタビュー』が解き明かすジャニーズの変革と嵐の絆

藤島ジュリー景子氏の『ラストインタビュー』は、旧ジャニーズ事務所が直面した変革期において、創業家の一員として彼女が抱いた葛藤や、人気グループとの関係性を深く掘り下げた貴重な記録です。特に「嵐」という国民的アイドルグループの活動休止から「最終活動」発表に至るまでの舞台裏が、ジュリー氏の視点を通じて明らかにされることで、多くのファンや関係者にとって、その決断の重みとメンバー間の揺るぎない絆を改めて感じさせる内容となっています。本書は、旧ジャニーズ事務所の歴史的転換点における重要証言であり、今後の日本のエンターテインメント業界の動向を理解する上でも必読の一冊と言えるでしょう。


参考文献: