滋賀・母親殺害事件:九浪娘が語った「母をバラバラに」供述の裏側と教育虐待

「モンスターを倒した。これで一安心だ」――滋賀県で発生した衝撃的な母親殺害事件。医学部9浪の末に母親をバラバラにした当時31歳の娘が、なぜこのような行動に至ったのか。学歴コンプレックスを抱えた母親による壮絶な教育虐待が背景にあったとされるこの事件は、多くの人々に戦慄を与えました。本稿では、遺体損壊の罪で逮捕された娘の供述内容に焦点を当て、事件の核心に迫ります。

「なぜ遺体をバラバラに?」捜査の開始

2018年5月17日、DNA鑑定により遺体の身元は桐生しのぶさんであると特定されました。しかし、娘ののぞみ容疑者(31)は、母親が別の場所にいると主張し、行方不明届も出していませんでした。この不自然な状況から、警察はのぞみ容疑者が事件に深く関与している可能性が高いとみて、任意での事情聴取を開始します。当初、彼女は事件への関与を一切否定していましたが、事態は急展開を見せます。6月5日、滋賀県警はのぞみ容疑者を死体遺棄容疑及び死体損壊容疑で逮捕しました。

滋賀母親殺害事件の背景、教育虐待を想起させるイメージ滋賀母親殺害事件の背景、教育虐待を想起させるイメージ

のぞみ容疑者の衝撃的な供述内容

逮捕の翌日、6月6日から、のぞみ容疑者は衝撃的な自供を始めました。「母の体をバラバラにして、河川敷に捨てたことは間違いありません。しかし、私は母の命を奪っていません。母は1月20日の未明に自ら命を絶ちました」と供述。つまり、殺害ではなく、母親の自殺を主張したのです。

しかし、現場検証の時点で自殺の痕跡がなかったことから、警察はこの供述を疑わしく見ていました。その後、のぞみ容疑者の自宅浴室に繋がる汚水桝から、しのぶさんの骨片が発見されたことも決定打となり、逮捕から半月後の6月21日、彼女は死体損壊容疑で追送検されます。警察は、のぞみ容疑者からさらに詳しく事件の経緯を聞き出しました。

教育虐待と絶望の末の悲劇

のぞみ容疑者の詳細な供述によれば、事件の夜、1月20日、母親は彼女を厳しく叱責しました。その理由は、母親が強く望んでいた助産師学校の入試に、彼女が不合格となったためです。9年間に及ぶ医学部浪人生活の末、その重圧は限界に達していました。

供述の中で、のぞみ容疑者は「もう何もかも嫌になった」と語る母親が、台所から持ってきた包丁を自らの首に当てた様子を説明。まさかと思い目を逸らしたところ「痛い」という声が聞こえ、母親はリビングに敷いた布団の上で仰向けに倒れていたといいます。のぞみ容疑者は、祖母や親類に「母親が命を絶ったのは自分のせいだ」と責められることを嫌がり、遺体を河川敷に捨てて隠蔽したと述べました。

結論

滋賀県で発生した母親殺害・遺体損壊事件は、単なる悲劇として片付けられない複雑な背景を抱えています。医学部9浪の末に母親をバラバラにした娘の供述は、教育虐待という深刻な家庭内問題が、いかに個人の精神を追い詰め、取り返しのつかない事態を招きうるかを示唆しています。本事件は、社会における教育のあり方や、家庭内での親子の関係性、そして精神的なサポートの重要性について、改めて深く考える機会を提供しています。

参考文献

  • 『世界で起きた戦慄の復讐劇35』(鉄人社)
  • Yahoo!ニュース (元記事リンク)