サントリーホールディングス(サントリーHD)の代表取締役会長を務めていた新浪剛史氏に浮上した「違法サプリメント購入疑惑」は、財界に大きな衝撃を与えました。9月2日、同社の鳥井信宏社長と山田賢治副社長は記者会見を開き、新浪氏が1日付で会長職を辞任したことを発表。しかし、現時点では違法行為の証拠は発見されておらず、新浪氏自身も潔白を主張しています。この状況は、「財界のご意見番」としての新浪氏の今後の立ち位置にどのような影響をもたらすのでしょうか。
新浪氏の「潔白」主張と経済同友会での発言
サントリーHD会長の辞任が報じられた翌日、9月3日。自身が代表幹事を務める経済同友会の会見に臨んだ新浪氏は、「法を犯しておらず、潔白だと思っている」と明確に述べました。警察による家宅捜索でも違法な製品は見つかっておらず、逮捕もされていないことから、「法を犯していない」という主張は現在のところ事実に基づいています。
経済同友会の代表幹事を辞任しない理由については、「警察から捜査を受けただけで会長や社長が辞めるという前例は作るべきではない」と説明。この発言からは、嫌疑を受けただけでサントリーHD会長を退く事態になったことに対する不満がうかがえます。
サントリー会長辞任の背景とその評価
新浪氏は、サントリーHDの会長を辞任した理由を「大好きなサントリーに絶対に迷惑をかけてはならない」と語りました。一方、経済同友会の代表幹事については一度は辞任を考えたものの、「同友会には会員倫理制度をはじめとした強固なガバナンスの仕組みがあり、その透明性の高いガバナンスに委ねるのが正しいと判断した」と説明しています。
これらの職務に対する辞任・続投の判断理由には、論理的な矛盾は見られません。また、この会見が経済同友会の定例会見であり、新浪氏個人の謝罪会見ではなかったというスタンスを貫き、理路整然と語る姿は、一部で冷静な印象を与えました。
サントリーホールディングス前会長の新浪剛史氏が鳥井信宏社長と共に会見に臨む様子
疑惑と潔白の間で問われる財界人の責任
新浪剛史氏は、違法サプリメント購入疑惑において、現時点では法を犯したという証拠はなく、自身も潔白を強く主張しています。しかし、社会的な疑惑が浮上したことで、サントリーHDの会長職を辞任する事態となりました。経済同友会の代表幹事としては職務を継続する意向を示していますが、この一連の騒動が、「財界のご意見番」としての彼の信用や影響力にどのような長期的な影響をもたらすのか、引き続き注目が集まるところです。
Source: https://news.yahoo.co.jp/articles/34091cf2f6112915b6c9befeabe8af91f84e2912