「議員会館で撮影禁止」投稿削除:参政党・塩入清香議員の“初ミス”が示す課題

2025年8月1日に召集された臨時国会は、当選を果たした新人議員らが次々と登院し、新たな顔ぶれに注目が集まりました。その中でも、東京選挙区から出馬し、66万票以上を獲得して当選した参政党の塩入清香氏(43歳)は、特に大きな関心を集める存在でした。しかし、その初々しさとは裏腹に、登院早々にある“ミス”が発覚し、波紋を呼んでいます。

参政党躍進の象徴・塩入議員の初々しい意気込み

参政党は先の参議院選挙で14議席を獲得し、大きな躍進を見せました。その中でも、激戦区である東京選挙区で2位当選を果たした塩入清香議員は、党の勢いを象徴する存在として注目されました。選挙期間中は白いジャケットやTシャツ姿が多かった彼女ですが、臨時国会への初登院日には黒のパンツスーツに白のインナーという装いで現れ、「より気持ちを引き締めるため」と心境の変化を語りました。

登院の感想を問われた際には、「緊張と喜びで胸がいっぱいです。選挙期間中に約束した公約をどうすれば実現できるか、どんどん勉強して話を詰めていきたい」と、新人議員らしい意気込みを語っていました。有権者からの期待を背負い、国政の舞台に第一歩を踏み出したばかりの彼女の姿は、多くの人々の目に新鮮に映ったことでしょう。

議員会館での“記念撮影”が問題に

2025年8月1日に召集された臨時国会に初登院した塩入清香議員2025年8月1日に召集された臨時国会に初登院した塩入清香議員

しかし、その初々しい門出に水を差す出来事が起こりました。塩入議員は8月3日までに、自身のX(旧Twitter)アカウントに一枚の写真を投稿。写真には、議員会館内にある議員事務室の前で、「塩入清香」と書かれたネームプレートを笑顔で指差す彼女の姿が映っていました。

一見すると新人議員の微笑ましい記念撮影に見えますが、この行為は国会内のルールに違反していました。議員会館では、セキュリティやプライバシー保護の観点から、個別の部屋や会議室を除き、廊下などの共用部での撮影が禁止されています。この規定に反した投稿に対し、X上では瞬く間に指摘が相次ぎました。塩入議員も問題に気づいたのか、該当の投稿を削除しましたが、すでに写真はスクリーンショットで拡散されており、「ルールを守れ」といった批判の声が上がることとなりました。塩入議員は本件について問い合わせに対し、「撮影の件は申し訳なく思っており、以後は気を付けて参ります。ご指摘ありがとうございます」と回答しています。

新人議員の「ルール軽視」は今回が初めてではない

議員がルール違反で批判されるケースは、今回が初めてではありません。昨年11月には、衆議院選挙後に初登院した自民党の福田かおる氏(40歳)と向山淳氏(41歳)の2人の新人議員が、撮影が禁止されている本会議場内でスマートフォンを使って記念撮影を行い、厳重注意を受けて謝罪したことが記憶に新しいでしょう。

全国紙の政治部記者は、「新人議員が浮かれて禁止エリアで記念撮影をするケースは今回が初めてではありませんが、ルールを作る側の議員にこそ、ルールの徹底が求められるのは当然です」と指摘しています。

「ルールを作る側」としての議員の責任

多くの有権者から大切な一票を託され、国政を担う立場となった議員には、国民の手本となる行動が求められます。特に、法律を制定し、社会のルールを定める彼らが、自らが属する場所の規則を軽視するような態度を示すことは、有権者の信頼を損ねかねません。

塩入議員には、今回の“初ミス”を真摯に受け止め、自らの言葉通り「気持ちを引き締め」、緊張感を持って議員活動に臨むことが強く期待されます。有権者が託した願いに応えるためにも、今後一層の自覚と責任感を持った行動が求められるでしょう。


参考文献: