英国でオウムが麻薬組織壊滅に貢献:驚きの「隠語」摘発劇

英国で一羽のオウムが麻薬組織の壊滅に決定的な手がかりを提供し、国内外で大きな注目を集めている。この驚くべき事件は、ランカシャー州ブラックプールの警察が麻薬密売組織を摘発する過程で明らかになったもので、情報源は英紙テレグラフやBBC放送など、信頼性の高いメディアが報じている。

英国旗(ユニオンフラッグ)の画像。このオウムによる麻薬組織摘発事件が発生した英国を示す。英国旗(ユニオンフラッグ)の画像。このオウムによる麻薬組織摘発事件が発生した英国を示す。

麻薬取引の証拠がまさかの形で露呈

事件の発端は、薬物事犯のアダム・ガーネット受刑者(35)の自宅への警察の踏み込み捜査だった。捜査当局はここでヘロインやコカインなどの多量の麻薬を押収し、彼の携帯電話を調査した。その過程で、驚くべき映像が発見された。それは、ガーネット受刑者のガールフレンドであるシャノン・ヒルトン被告(29)が飼っているオウムが、大量の現金の中で遊ぶ様子を映したものだった。

「2袋で25」:麻薬組織の隠語が明るみに

このオウム、名前は「マンゴー」。さらなる捜査で、警察はヒルトン被告の携帯電話から、さらに決定的な証拠となる映像を確保した。その映像には、ヒルトン被告が「マンゴー」に「2袋で25(two for 25)」と繰り返し話すように教え、オウムがそれに従い言葉を発する様子が収められていた。この「2袋で25」という表現は、麻薬組織内でコカイン2袋を25ポンドで取引する際に使用されていた隠語であることが判明した。オウムが日常的にこの隠語を口にしていたことが、組織の違法な活動を強く示唆する証拠となったのである。

札束の中で遊ぶオウム「マンゴー」の画像。麻薬取引で得た不法な利益の一部を示すものと見られる。札束の中で遊ぶオウム「マンゴー」の画像。麻薬取引で得た不法な利益の一部を示すものと見られる。

組織員15人全員検挙と重刑の判決

警察は、オウムの映像を含むガーネット受刑者とヒルトン被告の携帯電話に残された多数の映像、写真、そしてメッセージ記録を徹底的に分析し、捜査を拡大した。その結果、最終的にこの麻薬組織に属する15人全員の検挙に成功した。調査により、ガーネット受刑者は2023年から2024年にかけて刑務所に収監中であったにもかかわらず、密かに持ち込んだ携帯電話を利用し、ヒルトン被告を含む組織員に対し、遠隔で麻薬流通の指示を出していたことも明らかになった。

英国の裁判所は最近の裁判で、主犯であるガーネット受刑者に懲役19年6カ月、ヒルトン被告には懲役12年を宣告した。この麻薬組織のメンバー計15人には、合計で103年にも及ぶ重刑が言い渡された。

予期せぬ形で実現された正義

警察関係者は今回の摘発について、「マンゴーが繰り返していた言葉は、単なる笑い話にとどまらず、麻薬組織の活動を示す決定的な手がかりとなった。予期せぬ形で正義が実現された」とコメントしている。一羽の鳥が、人間の悪行を暴き、法の下に裁かれるきっかけを作ったこの事件は、動物が事件解決に寄与する稀有な事例として、人々の記憶に残ることだろう。