累計発行部数1000万部を超える人気漫画が原作で、現在TVアニメ第2期が放送中の大ヒット作『ダンダダン』。2024年8月8日、同アニメの第18話で登場したバンドの楽曲「Hunting Soul」のリリックビデオが公開された際、X JAPANのYOSHIKIがこの楽曲に対し「何これ、X JAPANに聞こえない?」と反応し、大きな波紋を呼んだ。この一連の騒動は、著作権の示唆から始まり、最終的には“和解”へと至る、芸能界ならではの展開を見せた。
YOSHIKIの“異変”と初期反応:著作権示唆の波紋
問題の楽曲「Hunting Soul」は、ギターのイントロ後、ボーカルの「おはらいだぁああああああ」のシャウトで幕を開ける。激しいギターとドラムが特徴の疾走感あふれるロックナンバーであり、X JAPANの代表曲「紅」を彷彿とさせる部分が多いと指摘された。YOSHIKI自身もこの類似性を感じたようで、楽曲動画を自身のX(旧Twitter)に投稿し、「えー? この件何も知らないんだけど、こういうのってあり? ファンのみんな、何が起こっているのか教えて」と連投。X JAPANのオフィシャルアカウントと自身のスタッフからの緊急連絡で事態を知ったと明かし、「この制作チーム、事前に一言ぐらい言ってくれれば良いのに..」と不満げなツイートをした。さらに「弁護士達からも連絡がきた」と述べ、法的なトラブルに発展する可能性まで示唆したことから、「X JAPANの“パクリだ”」という批判的な意図があるのでは、と広く解釈された。
X JAPANのYOSHIKIがアニメ『ダンダダン』の劇中歌「Hunting Soul」について言及し、議論を巻き起こした様子。
世間の声と楽曲制作陣の背景:オマージュか、それとも?
YOSHIKIの最初のポストは100万回以上のインプレッションを記録し、次のポストもそれに迫る勢いで拡散された。X上では、「オマージュだと思いますが、こういう場合本人や関係者とかに根回ししておく必要ないのかな?」とYOSHIKIに賛同する声がある一方で、「これを著作権侵害だなんて言って欲しくないなぁ。マンガだし」「正直、お祓いだーの部分しか似てない」「愛あるオマージュです。。。彼らの音楽は本物、という内容でリスペクトして原作でも描かれていますので(順番は逆ですが、、)許してほしいです。。」など、反対意見も多数寄せられた。「Hunting Soul」は、作詞・作曲・編曲を永井聖一、プロデュースを牛尾憲輔、ボーカルを谷山紀章、ギターをマーティー・フリードマン、ドラムをChargeeeeee…、ベースをわかざえもんという、日本の音楽シーンを代表する錚々たるメンバーが手掛けており、公式サイトでも「かなり気合を入れて制作した楽曲」と説明されている。
一転「アニメ見たくなってきた」:YOSHIKI“手のひら返し”の真意
この騒動に終止符を打ったのは、楽曲制作に携わったマーティー・フリードマンの反応だった。フリードマンはYOSHIKIのツイートに対し、「X JAPANへの愛と尊敬から作曲しました」と投稿。これを受けてYOSHIKIは「また一緒にセッションしましょう!」と返答し、さらに「アニメ見たくなってきた」とまさかの“手のひら返し”を見せた。YOSHIKIとしては、フリードマンからの説明とリスペクトの表明により、ようやく腹の虫がおさまった形だ。しかし、この急展開にはXのユーザーから「めんどくさい」「さっき著作権侵害について言及したのですから、きちんと筋は通しましょうね!」といった冷めた声も寄せられた。
近年のYOSHIKIと続く“お騒がせ”イメージ
近年のYOSHIKIは、何かと世間を騒がせるイメージが先行している感は否めない。現在プロデューサーを務めるバンド&ダンスボーカルグループ「XY(エックスワイ)」では、メンバーの脱退が相次ぎ、14人いたグループが8人にまで減少。YOSHIKI自身も長文で釈明を行ったものの、ファンからの理解を十分に得られていない状況だ。今回の『ダンダダン』楽曲騒動についても、もし類似性を感じたのであれば、まずは関係者へ直接連絡し確認を取るのが筋であり、X上で自身の“お気持ち”を表明し、騒動を大きくしてしまった印象は拭えない。一連の騒動がこれで一件落着となることを願うばかりである。
参考文献:
- Yahoo!ニュース: YOSHIKI、「X JAPANに聞こえない?」と反応したアニメ劇中歌を巡って“手のひら返し”の背景に何が?
- Smart FLASH: YOSHIKIが批判したアニメの劇中歌