2025年度夏の国家公務員ボーナス(期末手当)が支給されました。今回の支給では、民間給与とのバランスを考慮し支給月数が引き上げられ、一般職国家公務員の平均支給額は約70万円に達しています。さらに、総理大臣や国会議員といった特別職にも数百万円規模の支給が行われました。本記事では、このボーナス増額の具体的な内容と、その背景にある理由を詳しく解説します。
2025年夏の国家公務員ボーナス、一般職は平均70万円超に増額
内閣官房内閣人事局が公表した資料によると、2025年度夏の一般職国家公務員(平均年齢33.1歳)のボーナス平均支給額は、約70万6700円となり、前年比で7.2%の増加を示しました。これは、平均給与額が昨年の約29万8400円から約31万2700円へと増加し、さらに支給月数が2024年の2.21ヶ月から2.26ヶ月に上昇したことによるものです。昨年の人事院勧告に基づく給与法改正により、期末・勤勉手当の支給月数が増加し、俸給も増額されたことが、今回の平均支給額増加の主な要因となっています。
総理大臣や国会議員など特別職のボーナス支給額
国家公務員である総理大臣や国会議員も、同様にボーナスを受け取っています。彼ら特別職の2025年夏の期末手当の支給額は以下の表にまとめられています。
官職名 | 期末手当支給額(円) |
---|---|
内閣総理大臣 | 3,924,000 |
国務大臣 | 2,854,000 |
副大臣 | 2,492,000 |
大臣政務官 | 2,216,000 |
衆議院議長 | 3,360,000 |
衆議院副議長 | 2,425,000 |
衆議院議員 | 2,190,000 |
参議院議長 | 3,360,000 |
参議院副議長 | 2,425,000 |
参議院議員 | 2,190,000 |
表1:総理大臣、国会議員など特別職国家公務員の2025年6月期期末手当支給額
出典:内閣官房内閣人事局「令和7年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」を基に作成
国家公務員ボーナス増額の背景と民間給与との連動
今回の国家公務員ボーナス増額の背景には、主に以下の要因が挙げられます。
- 民間業績・給与水準の改善を受け、政府が人事院勧告で調整しているため:公務員の給与は、民間企業の給与水準との均衡を図る「人事院勧告」に基づいて決定されます。民間の賃金や賞与が増加すれば、それに合わせて公務員の給与も調整される仕組みです。
- 給与全体の底上げも含め、若年層を中心に基本給も引き上げられたため:給与法改正により、ボーナスの月数だけでなく、俸給(基本給)も引き上げられました。特に若年層に対する引き上げが顕著で、全体の給与水準の底上げに寄与しています。
民間企業の動向を見ると、株式会社帝国データバンクの「2025年夏季賞与に関する企業の動向アンケート」では、調査対象企業のうち33.7%が平均支給額が前年より「増加する」と回答しており、春闘における賃上げ・一時金の進展と相まって、民間の給与水準が上昇傾向にあることが伺えます。このように、公務員のボーナス増額は、民間企業の給与増加と密接に連動していると言えるでしょう。
まとめ
2025年夏の国家公務員ボーナスは、民間給与水準の上昇を背景に平均約70.6万円へと増額されました。総理大臣や国会議員といった特別職に対しても、定められた制度に基づきボーナスが支給されています。国家公務員の給与は民間との均衡を保つ仕組みによって調整されており、今後も経済状況や人事院勧告に応じてその見直しが継続される見込みです。
参考文献
- 内閣官房内閣人事局 令和7年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給
- 株式会社帝国データバンク 2025年夏季賞与に関する企業の動向アンケート