NHK連続テレビ小説「あんぱん」の脚本を担当する中園ミホ氏(66)が、8月11日に放送される人気ドキュメンタリー番組「ファミリーヒストリー」に登場し、これまで明かされることのなかった両親の過去と、その秘められた心情に触れ、思わず涙を流す様子が注目を集めています。国民的アニメ「アンパンマン」の生みの親である漫画家やなせたかし氏と妻・暢さんをモデルに、激動の時代を生き抜いた夫婦を描く「あんぱん」と、中園氏自身の家族の歴史がどのように交錯するのか、大きな関心が寄せられています。
「ファミリーヒストリー」は、著名人の家族史を徹底的に取材し、その「アイデンティティ」や「家族の絆」を深く見つめ直す番組です。今回、中園氏の知られざるルーツが紐解かれる中で、信じていた正義が一夜にして覆されるという戦争の現実に打ちのめされた祖父の姿が明らかになります。これは、まさに「あんぱん」の登場人物たちが戦争に翻弄される姿と重なり、その時代が個人に与えた影響の大きさを物語っています。
戦後を懸命に明るく生きようとした若き日の両親の努力が描かれる一方で、中園氏が10代の若さで両親を亡くしたという悲しい事実も明かされます。番組ではさらに、やなせたかし氏との間に意外なつながりがあったことも明らかにされる予定です。副題には、ドラマ「あんぱん」にも登場するやなせ氏の名言「ファミリーヒストリー 中園ミホ ~何のために生まれて 何をして生きるのか~」が冠され、番組内容の深さを示唆しています。
中園氏は番組の公式サイトを通じて、収録後の心境を次のように語っています。「両親はどちらも早くに亡くなったため、その生い立ちや秘めていた思いを知ることができ、大変貴重な経験をさせていただきました。本当に知らなかったことばかりで、まだ胸がいっぱいです。」と、家族の新たな一面に触れた感動を露わにしました。終戦記念日が近いこの時期の放送であることから、中園氏は「私の祖父母、両親、そして『あんぱん』の登場人物たちも、戦争によって“正義が逆転”した体験を強いられています。こうした経験をした方たちの心には、大きなトゲのようなものが刺さっていると思います。私の家族の物語が、ご覧になる方たちにとっても何かを感じたり、考えたりするきっかけになってくれたら、うれしいです」と視聴者へメッセージを送っています。
中園ミホ氏の「ファミリーヒストリー」出演は、単に一人の著名人の家族史を辿るだけでなく、戦争がもたらした個人の悲劇と、それでも前向きに生きようとした人々の強さ、そしてその経験が現代の創作活動に与える影響を深く考察する機会となるでしょう。
中園ミホ氏がNHK番組「ファミリーヒストリー」に出演。連続テレビ小説「あんぱん」の脚本家が、自身の家族の歴史を語る様子。
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