山尾志桜里氏、公認見送り後初の玉木代表へのメッセージ:国民民主党の「右派ポピュリズム」傾斜を指摘

7月の参議院議員選挙で、国民民主党からの比例代表での公認が内定しながらも一転して見送りとなった山尾志桜里氏が、政治ジャーナリストの青山和弘氏のインタビューに応じ、関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」に出演しました。公認見送り後、初めて国民民主党の玉木雄一郎代表に向けたメッセージを語った山尾氏は、国民民主党の現在の路線を「ポピュリズムに寄り過ぎている」と批判しつつも、玉木代表自身については「総理大臣を十分に狙える政治家」と高く評価。「極右に飲み込まれない新しい政治を自分がやる気概を見せてほしい」と期待を表明しました。これに対し玉木代表は、「公認で擁立に至らなかったことは、申し訳なく思っている」と謝罪の意を示しています。

国民民主党からの公認見送りと山尾氏の背景:過去の疑惑と「居場所の喪失」

2021年まで国民民主党に所属し衆議院議員を務めた山尾志桜里氏は、先月20日に実施された参議院議員選挙に際し、国民民主党から比例代表での公認の内示を受けていました。しかし、出馬会見の翌日、過去の不倫疑惑などに対する説明が不十分であることを理由に、公認の見送りが決定しました。玉木代表は当時、「有権者、全国の仲間、支援者。こういった方々から十分な理解と信頼が得られないと判断した」と説明していました。

その後、山尾氏は国民民主党に離党届を提出し、無所属として選挙戦に挑みましたが、結果は落選でした。政治ジャーナリストの青山和弘氏が、「国民民主党から出馬していればよかったと思うことはあるのか」と尋ねたところ、山尾氏はきっぱりと「それはゼロ」だと答えました。「国民民主党が2020年の結党時のいわゆる『中道政党』から、かなりポピュリズムに寄っている段階で、私自身も参加させていただく状況になりましたが、『時すでに遅し』でそこに私の居場所はなかったのではないかなと思っています」と、自身の見解を述べています。

公認見送り後、関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ」に出演し、玉木代表へメッセージを送る山尾志桜里氏公認見送り後、関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ」に出演し、玉木代表へメッセージを送る山尾志桜里氏

玉木代表へのメッセージと国民民主党の政治姿勢への批判:「右派ポピュリズム」への懸念

山尾氏は、玉木代表がかつて著書で「日本を誇示することで溜飲を下げるのはやめよう。それは日本の劣等感の裏返しになってしまう」と述べたことに触れつつ、国民民主党の現在の政治姿勢を「右派ポピュリズムに寄り過ぎている」と強く指摘しました。「残念ながら今回の参議院選挙では、『日本人の税金は日本人の政策に』というように、かなりフレージング(言葉選び)をポピュリズムに振っていると感じざるを得ません。少し残念です」と、現在の党の言動に対する懸念を表明しました。

参議院選挙での公認見送りが決定した後の山尾志桜里氏。国民民主党の姿勢に疑問を呈した参議院選挙での公認見送りが決定した後の山尾志桜里氏。国民民主党の姿勢に疑問を呈した

青山氏は、国民民主党が「参政党との違いをはっきりさせた方がいい」と問いかけ、これに対し山尾氏は「国民民主党の今後のことを考えても、その通りだと思います。参政党とは本来は違うスタンスにあるはずですし、この参院選を区切りに方向転換をしていただく、いい機会なのではないかなと思っています」と述べ、党の今後の方向性に対する期待と提言を示しました。

山尾氏の今回の発言は、国民民主党の進むべき道、特にその政治的スタンスについて、党内外に新たな議論を提起する可能性があります。玉木代表がこのメッセージをどのように受け止め、今後の党運営に反映させていくのかが注目されます。

Source: https://news.yahoo.co.jp/articles/94a0469a292eb1576cdb377ac207a65dfeb68f0a