沖縄県南城市の古謝景春市長（70）が、自身のセクハラ問題で議会を解散するという異例の事態に直面しています。女性職員らからの多数の訴えに対し、市長は苦しい弁明を繰り返し、告発者を非難するといった悪あがきを続けており、この騒動は1年10カ月にも及び、地元社会に深刻な波紋を広げています。本稿では、この問題の経緯と、古謝市長の対応、そして被害者の現状について詳しく解説します。
琉球新報が追及：運転手へのセクハラと不当解雇
このセクハラ疑惑を最初にスクープし、約300本の記事で追及してきたのは、沖縄の地元紙「琉球新報」編集委員の南彰氏です。南氏は2023年12月に琉球新報へ移籍するとすぐにこの問題を取り上げました。最初の記事は、業務委託契約で市長の運転手を務めていた女性からの訴えでした。
この女性は2022年11月、市長を自宅まで送り届けた際、胸を掴まれる被害に遭いました。その後、被害を総務課に訴えたものの、半月で契約を解除されてしまったといいます。琉球新報の報道が注目を集めると、沖縄県警が本格的な捜査に乗り出し、2024年11月には厳重処分の意見書を付けて那覇地方検察庁に書類送検しました。当初、古謝市長は胸に触れたこと自体は認めていたものの、「わざとではなく、肩を叩こうとしたら胸に触れてしまった」と不可解な言い訳をしていました。さらに、被害者女性が金銭を要求したかのような虚偽の情報を流布し、個人情報を晒すようなSNS投稿を行うなど、不誠実な対応が問題視されました。
南城市の古謝景春市長。セクハラ疑惑により議会を解散し、その動向が注目されている。
「無罪確定」の裏で：新たな被害者の告発と市議会の動き
しかし、2025年2月、那覇地検は古謝市長を不起訴処分としました。この結果を受け、古謝市長は「やってもないことの事実が証明されて本当にありがたい」と勢いづき、市内には「無罪確定」の横断幕まで掲げられました。
しかし、この不起訴処分は、これまでセクハラ被害を訴えられずにいた他の女性たちを沈黙させることはありませんでした。市議会が2024年4月から5月にかけて行ったセクハラに関するアンケート調査では、9件もの被害申告が寄せられました。その後設置された第三者委員会には、さらに3人の女性職員が名乗り出て被害を訴えました。その中の一人、市長の出張に随行した女性は、ホテルの部屋に呼び出されてキスされ、ベッドに押し倒された経験があると具体的に証言しています。しかし、ここでも古謝市長は同様に見苦しい弁解を繰り返しており、被害を訴えた女性たちが退職や休職に追い込まれるなど、深刻な二次被害も発生しています。
被害者への影響と社会の反応
古謝市長のセクハラ疑惑は、被害者への精神的・職業的ダメージにとどまらず、南城市の行政に対する信頼を大きく揺るがしています。議会解散という事態は、民主主義の機能不全を示唆するものであり、政治家の倫理観が厳しく問われる状況です。地元メディアの粘り強い追及は、同様のケースにおける被害者保護と、権力者の責任追及の重要性を浮き彫りにしています。
結論
沖縄県南城市の古謝景春市長を巡るセクハラ疑惑は、議会解散という前代未聞の事態に発展し、未だ収束の兆しを見せません。市長の不誠実な対応と苦しい弁明が続く一方で、被害者たちは二次被害に苦しんでいます。この問題は、地方政治におけるハラスメントの根深さと、それを追及し解決することの困難さを示しています。今後も、日本ニュース24時間ではこの問題の動向を注視し、公正な情報提供に努めてまいります。
参考文献
- 古謝景春・南城市長 自身のセクハラ問題で議会解散……「肩を叩こうとしたら胸に」と見苦しい言い訳 – Yahoo!ニュース / デイリー新潮
- 琉球新報 – 古謝景春南城市長のセクハラ問題に関する報道
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