ひろゆき氏、広陵高校甲子園辞退問題に再言及:「疑わしきは罰せず」と連帯責任の是非を問う

実業家の西村博之氏、通称「ひろゆき」氏が2025年8月11日、部内での暴力事案が報じられた広陵高校(広島)の甲子園出場辞退を巡り、自身のX(旧Twitter)で再び持論を展開しました。この辞退を巡っては、教育現場における「連帯責任」のあり方や、日本の法治主義における「疑わしきは罰せず」の原則が改めて議論の焦点となっています。

実業家ひろゆき氏がXで広陵高校甲子園辞退問題について持論を述べる様子実業家ひろゆき氏がXで広陵高校甲子園辞退問題について持論を述べる様子

広陵高校の甲子園辞退とひろゆき氏の初期見解

甲子園大会本部は8月10日、公式サイトを通じて広陵高校からの出場辞退の申し出を受理したことを発表しました。「このような事態になったことは大変残念ですが、学校のご判断を受け入れました」と、大会側はコメントしています。

これに対し、ひろゆき氏は同日、「悪事に関与してない人まで、同じ組織に所属しただけで責任を取らされる仕組みは、法治主義の観点からも間違ってる」とXに投稿。さらに、「正しく生きて来たひとも罰を受けるなら、正しく生きた人だけ損する。どうせ罰せられるなら悪事をした方が得となる」と述べ、連帯責任のあり方に強い疑問を投げかけました。

「疑わしきは罰せず」の原則と冤罪への警鐘

翌11日、ひろゆき氏は自身の過去の投稿を引用する形で、さらに踏み込んだ意見を表明しました。「『イジメを見過ごしたかもしれないから全員が罰を受けるべき』という意見は冤罪を許容する事です」と主張。

続けて、「日本の法は『疑わしきは罰せず』です。イジメを見過ごした証拠がない限りは、罰を与えてはいけないのです」と強調しました。そして、「『冤罪でも犯罪者が減るなら良い』と言う人は、冤罪で死刑になっても文句言わない人ですか?」と問いかけ、無実の人を罰することの危険性を指摘しました。

世論の反応:連帯責任を巡る賛否両論

ひろゆき氏のこの主張に対しては、SNS上で様々な意見が寄せられ、活発な議論が展開されています。

反対意見:「社会に出れば連帯責任は当たり前」

ひろゆき氏の意見に反論する声も多く聞かれました。「見て見ぬふりをしてるのはどうかと。高校野球の理念(教育の一環として、健全な青少年育成を目的とし、友情、連帯、フェアプレーの精神を理念とすることにあります)真逆よ事しちゃったら駄目よ」といった意見は、高校野球が持つ教育的側面から連帯責任の重要性を訴えるものです。また、「社会人になったら連帯責任だらけなんだから学生の時から染みつかせといた方が良いだろ。会社の誰かがやらかしたらそれだけで会社全体の株価下がるのなんてまさに連帯責任じゃん」と、社会における連帯責任の現実を指摘する声もありました。

賛成意見:個人の罪と集団責任の分離を求める声

一方で、ひろゆき氏の主張に同意する意見も寄せられています。「例えば、学校の試験でカンニングした生徒がいたとして。それに関与した生徒の点数が0点になるのは分かるけど、そのクラス全員が0点になるのはおかしいだろ、っていう話だもんなぁ。悔しいけどひろゆきさんに同意かも」といった声は、個人の行為と集団の責任を切り離して考えるべきだという立場を示しています。また、「暴力の加害者は法で裁かれるべきだが、他の生徒を一緒くたにするのは違う。暴力の加害者と、その他証拠がない生徒は別枠で考えるべきですね」と、無関係な生徒まで罰することへの疑問を呈する意見も見られました。

結び

ひろゆき氏が広陵高校の甲子園辞退を巡る部内暴力問題に言及したことで、「連帯責任」と「疑わしきは罰せず」という二つの重要な概念が改めて社会の議論の俎上にあがりました。教育現場における集団の規律と、個人の権利、そして法の下の公正さという、複雑に絡み合うテーマについて、多様な視点からの議論が今後も続いていくことでしょう。本件は、高校野球が単なるスポーツの枠を超え、社会の縮図として様々な問題を提起していることを示唆しています。

参考文献

  • J-CASTニュース (2025年8月12日). ひろゆき氏、広陵高校の甲子園出場辞退に改めて持論「日本の法は『疑わしきは罰せず』です」.
  • Yahoo!ニュース (2025年8月12日). 元記事へのリンク
  • ひろゆき氏公式Xアカウント投稿 (2025年8月10日, 11日).